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社員が金を使い込んでしまった!

中小企業を経営していると、よくあるできごとの一つが、社員の横領、です。

 

例えば、

 

  • 領収書の金額を偽装したり(例えば数字「1」を数字「4」に書き替える、金額に一桁「0」追加する)、白地の領収書をもらったり、架空の領収書を作ったりして、それを経費精算することにより会社から横領する。
  • 会社の切手や、交際用の商品券などを金券ショップで換金して自分のふところに入れる。
  • 架空の派遣社員を仕立て、その社員に対し給料を支払い、実際は自分のふところ入れる。(経営者が派遣社員全てを把握しきれない派遣系の会社で特にあることです。)
  • 実在しない仕入先や外注先があるように請求書を偽装し、実際は自分のふところに入れる。
  • 会社の商品や、備品を横流しする。
  • ただ単に経理社員が預金口座から現金を抜き出したり、グルになっているところに振込されたりして、仕訳処理を偽装して分からないようにする。(経営者が経理の仕訳の中味を見ていない会社でよくあることです。)
  • 仕入先や外注先との折衝担当の社員が、仕入先や外注先からリベートをもらう。(例えば、外注先A社と外注先B社が競合する場合、ある工事の外注代金の見積りはA社150万円、B社100万円として、自社に損を与えないためにはB社を選択することになりますが、外注担当の社員がA社から30万円のバックマージンをあげるからA社を選んでほしいと言われ、外注先との折衝担当社員はA社を選択し、自分のふところに30万円を入れます。これはわざわざ高い外注先を選定することになり、会社に損害を与えることになります。)
  • 現金や小切手で回収した売掛金を、あたかも未回収のように装い自分のふところに入れる。

 

今、私が思いついただけでも、社員による横領は、これだけの方法があります。他にもいろいろな方法があるでしょう。社員による横領が行われると、会社に多大な損害がもたらされ、それが会社を傾かせる原因になったりします。

 

私どもにご相談にこられる中小企業でも、多くの企業から、社員による横領があった、という話を聞きます。大企業に比べ、社内体制の整備が不十分である中小企業にとっては、横領が起こりやすい土壌があるのです。

 

自分のところは大丈夫、という企業ほど、危ないものだと思ってください。

 

ちなみに私の会社でも、このようなことを防止するため、内部統制のコンサルタント会社に入ってもらって社内体制を整備しているところです。また社員全員がコンプライアンスの資格を受験し、その資格を取得することでコンプライアンス意識の向上に努めようとしているところです。

 

一方、このような社員による不正が行われると、その企業の資金は一気に枯渇することにもなりかねません。そうなると、頼るのは銀行、ということになります。しかし、

 

「社員に横領されて2,000万円の資金を持っていかれたので、その分の資金を融資してください。」といって、銀行が融資をしてくれるわけありません。

 

また社員に横領された事実を言うことによって、銀行は逆にその会社への警戒を強めることにもなりかねません。やぶへびです。

 

よほど利益が出ていたり、自己資本が厚い(貸借対照表の純資産が多い)会社であったりすれば、この2,000万円は特別損失とし、今後の社内犯罪防止策を決め、それを銀行に書面でアナウンスすることによってしのげると思われます。(それでも社員による横領2,000万円の穴埋めのために融資を受けたいとは言わないで、普通に運転資金として融資を申し込んでください)

 

そうでない会社であれば、2,000万円は会社の損失ではなく経営者自身の損失とし(つまり会社で損失2,000万円を計上するのではなく経営者が損失を負担した形にするのです)、しかし経営者に資金がなければ会社から経営者に2,000万円を貸付けた形をとり、しかし経営者に対する2,000万円の貸付は銀行にとって「返ってくる見込みのない貸付金」として不良資産とみなされやすいので、生命保険会社の貸付金清算プランを使って貸付金勘定を消すなどの方法をとります。

 

そして、普通に運転資金で融資を受けたいと銀行に申込みます。いずれにしても、社員による横領が働かない体制をとることは、中小企業にとってとても重要です。

 

この分野は「内部統制」の分野です。内部統制という言葉は、上場企業においての言葉のように思っている方は多いですが、中小企業こそ、内部統制という仕組みを応用して取り入れて、社内不正が働かないようにしていくべきです。

 

内部統制というと、難しいように聞こえますが、簡単に言うと、社内で不正が働かない仕組みを作る、ということになります。(それだけが内部統制ではありませんが。)

 

「自分のところは年商3,000万円だから、関係ない話だろう。」

 

という経営者の会社こそ、社内で不正が起こってしまいます。今回述べたことは、中小企業にとってとても重要です。下手をすると取り返しのつかないことになってしまいます。

 

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