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利益からの採用計画

2012年2月10日号

 

皆さん、こんにちは。野上智之です。人手不足を感じた時、人を採用すべきか、
それとも見合わせるべきか、悩むと思います。何故、悩むのか。
それは、人を採用したからといって、必ずしもその人件費以上に利益が上がる
とは限らないからです。
皆さんはその時、目の前の利益を優先して採用を決めますか、
それとも中期的な事業計画の中で判断をしますか。

私 :「社長、現場から人手が足りないから、納期が守れないと声が上がっていますが。」
社長:「それは聞いている。」
私 :「本当に人手が足りないのですか。」
社長:「足りないとは思うが、今は現状の人員でまわして欲しいと思っている。」
私 :「現場からの採用して欲しいという要望は、どうしますか。」
社長:「次の会議で、採用しないと皆に話をするよ。」

社員を1名採用する際、その人件費をどこから捻出しようかと悩んだり、それとも、
現場がスムーズにまわることが大切だと考えたり、色々と思案するものである。

しかし、悩んでもなかなか良い答えにたどりつかないこともある。
理屈では、採用する人件費以上の利益を稼げば良いのであるが、今の中小企業では、
それが非常に難しくなっている。

例えば、数年前なら、8時間働けば5万円の粗利が取れていたものが、
今は4万円だったりする。

つまり、20%の粗利のダウンである。ここで、社員に同じ人件費を支払うためには、
1名あたりの労働量を、残業費を含めて10時間にするか、社員の創意工夫によって
8時間で10時間分の生産量を稼ぐしかない。

しかし、社員からすれば労働時間は長くなる、作業内容が濃くなっているのに、
給与は全く変わらないことに対して不満を持つ。

また、単純に人手不足を解消すれば、今までと同じように良い商品を、
納期どおりにお客様に届けることができると思い、そこに不満を持つものである。

上記の会話では、社長は採用しない判断を社員に伝えることにした。

どのような説明をするのか。また、社員はその話で納得するのかという問題が残る。

社長は利益を第一優先している、社員は労働時間を第一優先している。

このように給与の基準が大きくずれている場合、話し合いはなかなか上手くいかない。

一言で言えば、社員は忙しいから会社は儲かっていると思っているし、
採用しないのなら当然もっと給与はもらえるべきだと思っている。

そこで、社長はきちんと売上・経費・利益の話を、社員に説明することから
始めなければならない。

この内容を理解しないと、自分の給与がどうやって産まれているのか分からず、
社員の納得はない。また、将来の主力商品づくりのための新しい生産ラインを作る時、
今の人員を配置転換して、その後ある程度軌道に乗った際に、
新たに人を採用するのとは、同じ採用でも意味は全く異なる。

目の前の対だろうが、中期計画であろうが、全ては利益から計算して
採用を決めることが、会社にとっては大切である。

 

「2012年2月10日」執筆:野上智之

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