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事業再生ファンドは中小企業が主体的に活用できるのか

2012年10月31日号

時々、新聞で見かける、事業再生ファンドが設立されたという記事。

はたして事業再生ファンドは、中小企業はどこまで活用できるのか。

事業再生ファンドとは、中小企業再生ファンドとも言い、中小企業の再生
支援を目的として設立されるファンドです。

中小企業基盤整備機構、金融機関、地方公共団体、事業会社などにより出資
を受け、それを元手に、事業再生に取り組む中小企業の資金調達の円滑化
及び再生支援が行われるものです。

ファンドの投資対象は、過剰債務等により経営状況が悪化しているものの、
本業には相応の収益力があり、財務リストラや事業再構築により再生が可能
な中小企業となります。

支援方法は、中小企業再生支援協議会との連携による再生計画策定支援、
株式や新株予約権付社債の取得等による資金提供、金融機関の保有する貸出
債権の買い取り、ファンド運営会社等による経営面のハンズオン(実際に
経営に参画すること)支援等になります。

なお、平成24年3月時点で、全国で23のファンドがありますが、投資実績は
165社です。

また政府の言う事業再生ファンドは、中小企業基盤整備機構が出資するもの
ですが、その出資を受けず民間の金融機関等の出資のみで設立される
事業再生ファンドも各地で立ち上がっております。

では実際に、事業再生ファンドは中小企業が主体的に活用できるもので
しょうか。

事業再生ファンドの運営者は、次のように言います。

「当ファンドは、中小企業再生支援協議会の支援で策定された再生計画に
より、債権買取り機関として当ファンドの活用が盛り込まれた企業に、
金融機関から債権を買い取ることを主にしています。」

「債権買取りということで民間サービサーと機能は似ていますが、
民間サービサーは、早期の回収、またサービサーの利益の最大化が目的と
なりますが、事業再生ファンドでは長期の回収、そしてファンドの利益と
いうよりは企業の再生が主の目的となるため、サービサーが債権を買い
取る場合に比べて、より中小企業の再生に向けた取組が可能となる特徴が
あります。」

「当ファンドは、債権買取りがほとんどであり、企業への出資はほとんど
行っていません。出資すればその出口(上場や、株式価値を高めての
株式売却など)が必要ですが、中小企業においては現実的に難しいところ
があります。」

「多くの中小企業経営者は、ファンドと聞くと、出資してくれることを
期待するものですが、事業再生ファンドの実態は債権買取りが中心で
あり、出資の例は少ないです。」

「全国約40万社のリスケジュール企業に対し、今までの活用実績がわずか
165社であることを考えると、この事業再生ファンドの活用ができる
中小企業は、ごく限定的になってしまいます。」

このように見ていくと事業再生ファンドは、中小企業が主体的に活用する
ことはほとんど期待できません。

中小企業再生支援協議会で行われる再生スキームの構築の選択肢の一つと
して、事業再生ファンドがあると考えてください。

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