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事業再生ファンドは中小企業が主体的に活用できるのか

時々、新聞で見かける、事業再生ファンドが設立されたという記事。はたして事業再生ファンドは、中小企業はどこまで活用できるのか。

 

事業再生ファンドとは、中小企業再生ファンドとも言い、中小企業の再生支援を目的として設立されるファンドです。

 

中小企業基盤整備機構、金融機関、地方公共団体、事業会社などにより出資を受け、それを元手に、事業再生に取り組む中小企業の資金調達の円滑化及び再生支援が行われるものです。ファンドの投資対象は、過剰債務等により経営状況が悪化しているものの、本業には相応の収益力があり、財務リストラや事業再構築により再生が可能な中小企業となります。

 

支援方法は、中小企業再生支援協議会との連携による再生計画策定支援、株式や新株予約権付社債の取得等による資金提供、金融機関の保有する貸出債権の買い取り、ファンド運営会社等による経営面のハンズオン(実際に経営に参画すること)支援等になります。

 

また政府の言う事業再生ファンドは、中小企業基盤整備機構が出資するものですが、その出資を受けず民間の金融機関等の出資のみで設立される事業再生ファンドも各地で立ち上がっております。

 

では実際に、事業再生ファンドは中小企業が主体的に活用できるものでしょうか。

 

事業再生ファンドの運営者は、次のように言います。

 

「当ファンドは、中小企業再生支援協議会の支援で策定された再生計画により、債権買取り機関として当ファンドの活用が盛り込まれた企業に、金融機関から債権を買い取ることを主にしています。」

 

「債権買取りということで民間サービサーと機能は似ていますが、民間サービサーは、早期の回収、またサービサーの利益の最大化が目的となりますが、事業再生ファンドでは長期の回収、そしてファンドの利益というよりは企業の再生が主の目的となるため、サービサーが債権を買い取る場合に比べて、より中小企業の再生に向けた取組が可能となる特徴があります。」

 

「当ファンドは、債権買取りがほとんどであり、企業への出資はほとんど行っていません。出資すればその出口(上場や、株式価値を高めての株式売却など)が必要ですが、中小企業においては現実的に難しいところがあります。」

 

「多くの中小企業経営者は、ファンドと聞くと、出資してくれることを期待するものですが、事業再生ファンドの実態は債権買取りが中心であり、出資の例は少ないです。」

 

「全国約40万社のリスケジュール企業に対し、今までの活用実績がわずか165社であることを考えると、この事業再生ファンドの活用ができる中小企業は、ごく限定的になってしまいます。」

 

このように見ていくと事業再生ファンドは、中小企業が主体的に活用することはほとんど期待できません。中小企業再生支援協議会で行われる再生スキームの構築の選択肢の一つとして、事業再生ファンドがあると考えてください。

 

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