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銀行員の決算書の簡易的な見方

今回は、銀行員の決算書を簡易的に確認する見方を元銀行員がお伝えします。よって下記の項目は決算書を作成するときには注意しておきたい項目となります。ではそれぞれ解説していきます。

純資産の部(自己資本合計)

まず貸借対照表は純資産の部(自己資本合計)合計が1円でもマイナスになっているのかどうかを確認します。1円でもマイナスになっているのであれば債務超過になるので、過去の金融検査マニュアルでは、新規融資は取り扱わなくてもいいことになっています。

 

詳細については割愛しますが、この債務超過が1年間で解消になるのであれば銀行の格付けにおいて正常先・3年以内に解消できるのであれば要注意先・本来は5年ですが、円滑化法の関係もあるので10年を超えるのであれば、破綻懸念先の認定になります。

役員借入金

また、役員借入金(会社の役員が会社にお金を貸す行為)があるであれば、この金額を資本金に組み入れてよいことになっているので、決算書で仮に債務超過2000万円になっていたとしても、社長が会社に3000万円お金を貸しているのであれば、債務超過の認定をしない銀行が多いと思います。

借入月商倍率

次に見るのは借入月商倍率です。

 

この倍率は地域によっての体感が違うので一概には言えませんが、世間一般的なイメージ言うのであれば、3ヶ月以内であれば青信号・4ヶ月以内であれば黄色信号・5ヶ月を超えてくると赤信号になります。

 

詳細にお伝えするのであればこの借入月商倍率も見方は2つありますが、今回は割愛します。簡単にお伝えするのであれば、経常運転資金の融資金額を除外して、この借入月商倍率を算出する銀行もあります。大手銀行はこの方式を採用しているケースが多いのではないでしょうか。

流動資産

そして貸借対照表の資産項目では、流動資産では現金・預金、売掛金と商品(在庫)の状況変化と貸付金・仮払金・未収利息の状況を確認しています。前期と対比して増減を何でしているのか。貸付金・仮払金・未収利息は前期と対比して減少しているのか。増加している場合は、その資金使途は何なのかを見ます。

固定資産

固定資産は法定償却をしているのか確認します。銀行員の減価償却の考え方は法定償却が原則になります。銀行員に企業会計原則をぶつけても無駄です。彼らは会計の専門家ではありませんし、金融検査マニュアルにおいても企業会計原則について一切触れておりません。そして売上と利益に貢献してないムダな設備投資はしていないかと確認していると思います。

売上高の前期対比

そして損益計算書については売上高の前期対比をします。売上総利益の増減を私は見ていましたが、銀行員に研修していても売上総利益を考えながら見ているイメージが私はしません。

 

そして営業利益と経常利益は必ず見ます。

 

なぜならこの2つの利益は銀行の格付けにおいて影響してくるからです。また、営業利益の過程で販売管理費があると思いますが、総人件費(役員報酬も含む)をなめるようにして見ています。

 

銀行員は自分たちの高い給料を棚に上げておいて、仮に営業利益が1000万円赤字の会社の社長が役員報酬を2000万円とっていたとしたら、銀行員は営業利益が赤字だと融資審査に影響が出てくるので、社長の役員報酬を下げることは可能ですかと質問してくるケースがよくあります。

経費の3K

また、その他経費で銀行員が目にする項目は俗に言われている経費の3Kです。Kとは広告のK・交通費のK・交際費のKです。そして最後に税引後当期利益をみます。税引後当期利益は貸借対照表の純資産の部の繰越利益剰余金に関係してくるからです。

 

こんなイメージで概ね決算書を銀行員は見ています。銀行の大小に関係なく、目利きがある2割の優秀な銀行員は上記のような決算書の見方はしません。決算書を見た後に現場に行って現場を確認した上で整合性をみています。

 

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