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その会社分割は、大丈夫ですか?

2013年4月30日号

マクロな視点では、効果が出始めている
「アベノミクス」

今までよりは、マシ…
というよりも、
これまでが何もなかった、というのがつらいところではありますが…。

明るいニュースが増えることは、歓迎したいものです。

しかし、長期的に考えれば、国も、そして中小企業も
自分達の持つ負債≒借金をどのように処理していくのかが
大きな問題であることには、何も変わりはありません。

◆会社分割で、借金がなくなる?

中小企業にとっては、借金を圧縮・処理することは簡単な事ではありません。
キャッシュフローから返済にしても、利益が出ることが前提。
赤字をどうにかするのに大変な中で、専門家やコンサルタントに
「債務償還年数を10年以内に」
「債務超過解消年数を10年以内に」
と言われても…
それができれば苦労しません。
という話になります。

一定の経済環境がなければ、利益だって簡単にはでないものです。

※現在、債務償還年数や債務超過解消年数だけに頼らない
 企業評価が始まりつつありますが、
前回以前に一度説明していますので、今回は省略します。

できるものなら、借入を
債務免除(借入元本を「ないことにする」)や
劣後債(返済を他の負債より「後回しにする」)
にでもしてもらえたら、ありがたいものではありますが
そのための予算は国にとっても、金融機関にとっても少しだけ。
誰でも利用できる訳ではありません。
そんな中、一つの解決策としてよく出てくるのが会社分割です。

内容はまとめてしまえば簡単なもので、

. 別に会社を設立する
. 事業存続性や収益性の高い資産や事業を新会社に移す
. 旧会社には、負債、特に金融機関からの借入のみ残す
. いざとなれば、旧会社を倒産させる
. 新会社は借金もなく、きれいに残る

といった内容です。

特に、推進・推奨する方がポイントとする点が

◎金融機関に事前の了解を得ずに会社分割を実行しても、違法行為ではない
⇒会社分割をやってしまっても、金融機関は後から交渉すれば
 どうにでもなる

というもので、借金はなくなり、会社も生まれ変わるように見えますから
まるで魔法のように感じられます。

しかし、現実はそう都合良くいきません。

◆そんな都合のいい話、本当にできるなら皆で既にやっている

金融機関にとってみれば、実態としては同じ会社。
法律上別の会社だからといって、簡単に逃してくれるはずもありません。

最悪、民事訴訟になりますし、
実際の判例でも金融機関側の主張を認める内容となりつつあります。

法律は何も、文面の「字面」だけで全てが決まるわけではありません。
その背景や実態も加えて判断されるものです。

本当にそんなことができるのなら、とうに皆でやっていますよね?

結局、金融機関は新会社を旧会社と実質的に同一の存在として
新会社に対して債務の返済(引受)を要求するのみです。

また、もし旧会社からの借入回収を諦めてくれたとしても
新会社は別物として金融機関が
融資をしてくれることなどあるでしょうか?

あり得ません。

金融機関は会社分割の事実を永久的に保存し、必ず引継ぎを行い、
なかったことにはしませんし、忘れることもしません。
新会社は、半永久的にあらゆる融資・与信行為を得られないものとして
活動しなくてはならなくなります。

◆あくまで真っ直ぐに勝負するべき

うまくいく会社分割、というものも存在はします。
ただ、その場合は会社分割の事実と将来の計画を
誠実な交渉により金融機関に認めてもらい、
「会社分割を認めた方が、金融機関にとってもメリットがある」
という場合の話です。

よほどの事情があるか、練りに練ったものでない限り
会社分割のメリットはないのです。

しかしながら未だに一部、会社分割をすれば…と思ってしまう方が
残っていらっしゃいます。
よくよく、お気をつけ下さい。

「2013年4月30日号」執筆:今野洋之

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