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事業実態が把握できる会計にする

2014年2月12日号


『 事業実態が把握できる会計にする 』



題名は極めて当たり前の事を書いているのですが、私共がサポートす
る企業においては当初9割方出来ていません。



どの様な状況になっているかと言うと
・複数店舗で事業運営をしているのに店舗毎の営業利益が分からない
(部門別会計を採用していない)
・製造業なのに製造原価方式を採用していない
(建設業・運送業・一部サービス業も同様)
・収益部門と非収益部門の収支を分けていない
・共通費が各部門内部に配賦されてしまって正確な部門利益が分から
 ない
などなど列挙すればきりがないですがこの様な状態です。



要は経営者が自社の事業実態を数値で把握できていない企業がほとん
どなのです。毎月の試算表はどの様にされていますか?との質問に対
しても税理士にすべて任している。自社で行っているが出来上がるの
は2ヶ月後だから見ても仕方がない。ついには試算表など作った事も
無いし、税理士よりもらった事も無いとお答えいただいた経営者の方
もいらっしゃいました。



まるで他人事です。自身の意思決定の結果を把握せずして業績改善は
あり得ません。



その為、私共がサポートさせて頂く場合は事業構造・組織構造の実態
を把握させていただいた上でまず初めに会計の再構築を行います。
(緊急時の資金繰り対応が必要な場合は別途実行)



その再構築の方法は把握させて頂いた内容によって変化します。
業種によって画一的に決まるものではありません。



例えば同じ卸売業でも組織構造上、個人別損益に重きを置く必要があ
る企業については営業担当毎で部門を設定して試算表に反映させます
し、商品構成に重きを置く必要がある企業については商品群の定義を
確定させた後、商品群ごとで部門を設定していきます。
要はその会社の収益構造を把握する中で、何に重点をおくべきかによ
って会計の処理方法を変更します。



再構築の方針が固まれば、自計化している企業においては経理担当の
方に、自計化していなければ税理士の先生に協力をお願いします。



最近は弥生会計など安価な会計ソフトで部門別、資金繰り、予実管理
など当たり前に出来る状態になっていますので、その点も踏まえて今
後どの様なスケジュール感で行っていくのか打合せしていきます。



よく原価に入れると売上総利益が悪くなるから販売管理費に入れてお
くと言う仕訳の仕方をしてらっしゃる企業もありますが、私は売上総
利益が悪くなろうとも原価に入れる事を勧めています。何故ならば、
実態がそうだからです。粉飾決算でもそうですが、実態とかい離した
数値を採用すれば、いつの間にかかい離した数値が経営者にとって、
本当の数値の様な錯覚を起こす可能性があります。臭いものに蓋をす
れば、いずれ臭いがきつくなって倍返し以上の痛いしっぺ返しに会う
ものです。



そして売上・製造原価・販売管理費・営業外科目や貸借対照表科目に
至る全ての勘定科目において仕訳の仕方から変動費・固定費の勘定科
目分類分け、部門・資金項目入力等を変更していきます。



そうなると変更前に比べれば当然業務量が増えます。税理士先生から
嫌がられご協力を頂けない事もありますが、打合せ回数を重ねて協力
をお願いし、それでも協力頂け無い場合は担当者の変更を経営者の方
にお願いします。



この状態でようやく再構築のスタートラインに立てた状態で、その後
再構築計画に基づいて担当者と二人三脚で実行していき再構築の体制
を整えていきます。



試算表作成の目的は正確性よりも事業実態に合わせてスピードを優先
する事で、経営陣の意思決定に役立てて頂くツールとして活用する事
にあります。



優先順位は
1.事業実態に会計を合わせる
2.毎月10日迄に前月試算表、前月資金繰り実績表を作成する
3.試算表の精度(正確性)をあげる
となり、間違っても3を最初には行わない様にしてください。



事業実態の把握できない試算表の数値は間違った経営判断を経営者に
与えるリスクがあります。その間違った経営判断を行ったのが試算表
の数値のせいだとしても、最終責任をとるのは経営者本人なのです。



今一度、自社の試算表が事業実態・組織実態に合っているか確認する
事をお勧めします。

「2014年2月12日号」執筆:奥田雄二

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