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純資産が最も重要な指標になった

2014年3月17日号

純資産が最も重要な指標になった


前回、債務償還年数の基準が変更されていることを
説明しましたが、今回は純資産についてです。



債務償還年数については、これまで10年以内であることが
評価基準となってきたのが、20年(以上)にまで緩和されました。



一方、こちらの純資産に関する指標は、大きな緩和はされず
むしろ債務償還年数に代わり最も重要な指標になりつつあります。
確認をしておきましょう。

純資産の評価指標


貸借対照表の右下に記載される純資産を評価するにあたっては
純資産総額がプラスか、マイナスかで使用する指標が
変わります。


1.純資産総額がプラスの場合=自己資本比率


 自己資本比率 = (純資産総額 / 総資産額)%



純資産がプラスであれば、財務指標の中でも最も有名な
ものの一つである自己資本比率によって評価されます。
20%以上であれば優良との評価を得ることに繋がるのが
一般的です。



これまでであれば、真にこれだけで十分だったのですが
自己資本比率が優良であるほど
逆に気をつけなくてはならないことも
着目されるようになりました。



それは、「自社株評価」。
承継・相続まで想定した場合、純資産が優良であると
それだけ税額も増えていくことが予想されるため
経営・承継、という意味においては
逆に足かせになることが心配されています。



資本金があまり大きくない企業であれば
毎年少しずつ株式を譲渡(非課税)する等の方法もv
ありますが、会社の所有権である株式なだけに、
承継の問題として税と法、経営を総合的に考えることが
必要です。



もちろん、むやみに純資産評価を下げれば財務評価が
落ちることにもつながるため、対応シナリオとともに
「無事に承継を果たすためであり、
 実質的には財務的に悪化するものではない」
旨を説明することで、無用に過小評価を受けることを
避けるべきでしょう。


 


2.純資産総額がマイナスの場合=債務超過解消年数



 債務超過解消年数 = (債務超過額 / 当期利益)年



純資産がマイナス、つまり債務超過の会社の場合には、
現在の利益水準で債務超過を解消し、
純資産がプラスに変わるのに何年かかるのか、が
優良の評価は得られずとも、金融機関の協力を得られるか
どうかの基準となります。



かつては5年だった基準は10年にまで延長可能ですが、
それ以上の緩和は現在も認められないことが大半で
10年以上かかると想定される場合には
「事業収益だけで債務超過の解消は困難」との解釈から



・遊休不動産等を売却して負債(借入)を圧縮する
・保険等を使用して、最終的には債務超過を解消できる
・後継者を確定させる



等、財務・経営上の施策を含めた対応で
金融機関の協力を得ることを検討することになります。



保険については、コンプライアンス上の問題を含めて
慎重に考えなくてはなりませんが、
むやみに解約をしても、将来のキャッシュインを
大きく削ることになるので、
資金繰りが厳しいからといって安易に解約することは、
企業だけではなく、金融機関にとってもリスク
であることを考えるべきでしょう。



実際、私の取組みでも、あえて保険を増額
(コストは増え、利益は減る)させることを
金融機関に説明し、了解をいただくことは
当たり前に可能です。



後継者については、例え債務超過であっても



「将来的に資金繰りを改善し、会社を存続させる意思がある」
⇒現在の経営者が逝去した際に、相続放棄によって
 金融機関に貸倒れをさせるつもりがない



意思の表明となることで、
債務超過の早期解消がつかないことへの
対応策となります。



指標は基準として大事なものですが、あくまで
会社の存続性を改善すること自体が
金融機関の評価や協力につながるとお考え下さい。



次回、来週は改めて、純資産がどうして最も大事なのか
企業・金融機関それぞれの背景をお伝えします。

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