コラム

  1. ホーム
  2. > コラム
  3. > 銀行とのつきあい方
  4. > 繰上げ返済・他行への借換えをにおわせて金利引下げ交渉

繰上げ返済・他行への借換えをにおわせて金利引下げ交渉

金利が下がり続けています。日本銀行によると、2013年10月時点の貸出金利の平均は、2007年末に比べ、次のように下がっています。

 

メガバンク(2007年末)1.81%→(2013年10月)1.12%
地方銀行(2007年末)2.08%→(2013年10月)1.37%
第二地銀(2007年末)2.35%→(2013年10月)1.64%

 

このように、どの業態の金融機関も、約0.7%、下がっています。さて、あなたの会社はどうでしょうか。2007年に受けていた融資金利に比べ、0.7%は下がっているでしょうか。昔に比べ業況が悪化し、それを見て銀行は金利を下げない、もしくは上げてきている、という企業であればやむをえません。

 

しかしそうでない企業では、この6~7年で、0.7%下がっていなければ、全国的な金利低下の時代、その恩恵をこうむっていないのです。あなたの会社が金利低下の恩恵をこうむっていない場合、なぜなのか。その原因を考えてみます。

 

  1. 融資を受けている銀行が1つであり、その銀行が提示してくる金利が全てだと思ってしまっていた。
  2. 自分は人が良い社長で、銀行が融資を出してくれるんだから金利は銀行の言う通りでいいや、と金利に特に気にしないできた。
  3. 今までつきあいのない新規の銀行がやってきて、低い金利の提案をしてきたが、今つきあっている銀行を裏切ることができないと新規の銀行を追い返してきた。

 

以上の理由のうち1つはあてはまるのではないでしょうか。1.2.3、このような企業は、経営者の銀行に対する考え方があって、金利低下の恩恵をこうむれないまま、きてしまったのでしょう。

 

しかしその考え方が、どれだけの経費をあなたの会社から奪っているのか。もし1億円の融資をずっと受け続けている企業が、0.7%の引下げができないまま、5年間、経過したとします。その間、0.7%の金利を余分に払い続けることによって、

 

1億円×0.7%×5年=3,500,000円

 

なんと、350万円もの利息を、銀行に余分に支払っているのです。

 

あなたの会社は、経費削減で、電気をつけっぱなしにしない、備品は大切に使う、などの涙ぐましい努力を行ってきたのではないでしょうか。しかし金利に無頓着であれば、そのような経費削減努力はすぐに吹っ飛びます。経営者は、銀行との交渉上手になって、少しでも融資金利を低くしていきたいものです。

銀行がおそれること

では、どうやって金利を下げることができるのか。金利を下げるには、次のやり方があります。

 

  1. 既存の融資の金利を下げる。
  2. 既存の融資を低い金利で借換えする。

 

そして、銀行の融資金利を下げるには、次のようなテクニックがあります。銀行の一番の収益源はもちろん、融資を行うことで融資先企業からいただく利息です。そして利息は、融資残高があることから発生するものです。

 

融資残高がなくなれば利息収入がなくなり、銀行は収益源がなくなります。そう考えると、融資残高がなくなることが、銀行にとっておそれることであることが分かります。

 

次に、融資残高がなくなる場面を考えてみます。それは、次の場面です。

 

  1. 企業から繰上げ返済をされること。
  2. 既存の融資を他の銀行に借換えされてしまうこと。

 

この2つを銀行員がおそれる時、銀行員はなんとしてでも、それを阻止して融資残高を維持しようと考えます。そしてこの2つを阻止する、経営者に思いとどまってもらう、そこで銀行員は、金利を下げることを提案してくるのです。

企業から繰上げ返済されることへのおそれを利用

繰上げ返済しても資金繰りがゆらがないほど現金預金を潤沢に保有している企業であれば、既存融資の繰上げ返済を考えることができます。そのような企業は、銀行に繰上げ返済の意向を申し出すると、銀行から、待ってくれ、と止められることでしょう。

 

しかし銀行は、それで繰上げ返済を阻止できたとしても、その分、企業に多くの利息を負担させてしまうことを、後ろめたく感じるものです。銀行が繰上げ返済を止めるのであったら、それなら繰上げ返済は行わないが、金利を引き下げることはできないのか、と銀行に交渉してみます。

既存の融資を他の銀行に借換えされてしまうことへのおそれを利用

他の銀行に借換えされてしまうおそれを利用するために、他の銀行の、低い金利の提案書を利用します。あなたが金利を下げたい銀行にそれを見せ、このままでは借換えざるをえない、という話をします。

 

借換えされてしまうことを阻止したい銀行員は、借換えされないためには既存の融資の金利を下げざるをえないと考えます。そして金利を引き下げます。

 

また、それでも金利を下げてくれなかったからと、本当に別の銀行で借換えを行うのはやめた方がよいでしょう。借換えされた方の銀行との関係が悪化してしまいます。

 

他の銀行で借換えという形ではなく、他の銀行からの提案そのままの金額でその銀行から融資を受け(例:既存の銀行の融資3,000万円を他の銀行が5,000万円で借換え提案してきた時、5,000万円の融資を受けて3,000万円の返済を行うのではなく、5,000万円そのままで融資を受けること)、少し時間が経過したところで、既存の銀行の融資の繰上げ返済を申し出るのです。これは実質的な借換えですが、そうではないように見せることがポイントです。

 

最新のコラムやQ&A、ニュースレターは、無料メルマガ「銀行とのつきあい方」でお届けしております。銀行の動向、資金調達、資金繰り改善、補助金、経営改善、スモールM&A等に関する情報を取得いただけます。下記のバナーよりご登録ください!

新商品のご案内

月額9,900円サブスクコンサル
ダイトリ」5大サービス

①すぐに使える経営知識・情報動画の視聴
②経営コンサルタントによる相談サポート
③人気セミナー含むセミナー無料招待
④教材・マニュアルがいつでも40%OFF
⑤社長の専門学校も利用可能

→ 詳細・ご購入はこちら
金融機関紹介実績No1
支援機関
contents
  • 事業再生
  • M&A
  • よくある質問
  • 実際の事例集
  • オンラインショップ
  • 会社概要

一人で悩む経営者へ
後悔しない決断を一緒に見つけましょう