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銀行は粉飾決算を本当に見抜けているのか?

本メルマガでも何度となくテーマとなってきた粉飾の問題ですが状況が変わってきている部分があり、また弊社としてもこれまでと方針が変わっているものですから、今回その確認をさせていただきます。

 

改めて、銀行は粉飾を分かっているのか

弊社においても元々、銀行(員)は粉飾を分かっているかというテーマにおいては、かつて「分かっていない」と回答していた時期があります。一方、私自身は「ある程度の基準を超えれば、推測される」とお答えしてきました。

 

本音としては、私は「粉飾は分かる」という見解を持っています。字面では全くの正反対ですが、切り口が違うことが原因で、言いたいことは大きく変わりません。本質的には「分かっても、分かっていないことにする」ということです。

 

今回は、銀行が粉飾判定を行う基準には触れませんが、融資担当者が融資先企業の格付けなどで財務分析を行う際に一定の基準に抵触すると、システム的にアラームが表示され粉飾の疑義がかかります。

 

融資担当者はアラームに対する説明を行い、承認を得られない限り格付けや融資の稟議が通りません。融資担当者は、融資をしたいと思う限りは説明をしたいのです。融資をしないと自らの目標の達成もできないし、お客さまの支援ができないからです。

 

しかし、粉飾であっても、それを知ってしまえば対応せざるをえません。

 

従って、

 

  • 粉飾であったとしても、気づかなかったことにする
  • 気づかなかったことが注意義務違反にならないようにする

 

ことが重要になります。

 

ある程度の技術をもった銀行員ならば、これが当たり前。それでも分からない、というのは、細かい財務分析をしないマル保の融資しかしたことのない方の言い分です。

 

コンサル実務上でも、粉飾の開示を行う際には

 

「実はそうじゃないか、と分かっていた」

 

という銀行員も

 

「そんな話は聞いていない」

 

という銀行員も、どちらもいらっしゃいます。

 

ただ、「そんな話は聞いていない」という銀行員というのはそれまでに社長の言ってきたことや提出された(粉飾の)資料を信じた結果という意味が大きいのですが、コンサルタントの立場で申し上げれば、要するに分析を怠ったということに過ぎず、そこで互いを責め合うことに意味は全くありません。あくまでも、システム上のアラームがある以上、一定以上の数値操作は銀行の知るところになる、と捉えるのが間違いのないところです。

粉飾を開示しないリスクは、高まる一方

銀行の現場、融資担当者の立場では目を瞑ってもらってここまで来たとしても、将来のことを考えると自ら開示した方が再生に繋がることを申し上げたいと思います。

 

特に、経営者保証のガイドラインに基づく保証債務の減免や条件変更中の新規融資、条件変更の返済計画の承認にあたって企業側に粉飾が残っていると過去に遡って銀行の支援内容が取消しになるから、です。この規定は、経営者保証のガイドラインにも存在しており、近い将来法制度化されることも予想されます。

 

また、M&Aなどによる事業譲渡、第二会社方式の採用などにおいても、粉飾が残っていれば話が立ち消えになるばかりか経営者自身への責任問題に発展しかねません。

 

経営者自身は時に「自らはどうなってもいい」と考えてひたすら隠してしまうものですが、それは誤りであり、自らの責任を全うするために現状を開示することが、銀行を含めた周囲の納得と協力を引き出すきっかけなのです。

 

弊社取組み上、あらゆる意味で粉飾を開示したことを原因として倒産に追い込まれた企業はありません。エクステンドでは、経営者様からの無料相談を受け付けています。粉飾決算が重荷になっている、銀行からの新たな資金調達を得たいや返済が厳しい、資金繰りが苦しいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。

この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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