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銀行は粉飾決算を本当に見抜けているのか?

2016年3月18日号「銀行とのつきあい方」

 

本メルマガでも何度となくテーマとなってきた
粉飾の問題ですが状況が変わってきている部分があり、
また弊社としてもこれまでと方針が変わっている
ものですから、今回その確認をさせていただきます。

◆ 改めて、銀行は粉飾を分かっているのか

 

弊社においても元々、銀行(員)は粉飾を分かっているか
というテーマにおいては、かつて「分かっていない」と回答していた時期があります。
一方、私自身は「ある程度の基準を超えれば、推測される」とお答えしてきました。

 

本音としては、
私は「粉飾は分かる」という見解を持っています。
字面では全くの正反対ですが、切り口が違うことが原因で、
言いたいことは大きく変わりません。
本質的には「分かっても、分かっていないことにする」ということです。

 

今回は、銀行が粉飾判定を行う基準には触れませんが
融資担当者が融資先企業の格付けなどで財務分析を行う際に
一定の基準に抵触すると、システム的にアラームが表示され粉飾の疑義がかかります。

 

融資担当者はアラームに対する説明を
行い、承認を得られない限り格付けや融資の稟議が通りません。
融資担当者は、融資をしたいと思う限りは説明をしたいのです。
融資をしないと自らの目標の達成もできないし、お客さまの支援ができないからです。

 

しかし、粉飾であっても、それを知ってしまえば対応せざるをえません。

 

従って、

 

  • 粉飾であったとしても、気づかなかったことにする
  • 気づかなかったことが注意義務違反にならないようにする

 

ことが重要になります。

 

ある程度の技術をもった銀行員ならば、これが当たり前。
それでも分からない、というのは、細かい財務分析をしない
マル保の融資しかしたことのない方の言い分です。

 

コンサル実務上でも、粉飾の開示を行う際には

 

「実はそうじゃないか、と分かっていた」

 

という銀行員も

 

「そんな話は聞いていない」

 

という銀行員も、どちらもいらっしゃいます。

 

ただ、「そんな話は聞いていない」という銀行員というのは
それまでに社長の言ってきたことや提出された(粉飾の)資料を
信じた結果という意味が大きいのですが、

 

コンサルタントの立場で申し上げれば、
要するに分析を怠ったということに過ぎず、そこで互いを
責め合うことに意味は全くありません。

 

あくまでも、システム上のアラームがある以上、
一定以上の数値操作は銀行の知るところになる、
と捉えるのが間違いのないところです。

 

粉飾を開示しないリスクは、高まる一方

 

銀行の現場、融資担当者の立場では目を瞑ってもらって
ここまで来たとしても、将来のことを考えると
自ら開示した方が再生に繋がることを申し上げたいと思います。

 

特に、経営者保証のガイドラインに基づく保証債務の減免や
条件変更中の新規融資、条件変更の返済計画の承認にあたって
企業側に粉飾が残っていると過去に遡って銀行の支援内容が
取消しになるから、です。
この規定は、経営者保証のガイドラインにも存在しており、
近い将来法制度化されることも予想されます。

 

また、M&Aなどによる事業譲渡、第二会社方式の採用など
においても、粉飾が残っていれば話が立ち消えになるばかりか
経営者自身への責任問題に発展しかねません。

 

経営者自身は時に「自らはどうなってもいい」と
考えてひたすら隠してしまうものですが、
それは誤りであり、自らの責任を全うするために現状を
開示することが、銀行を含めた周囲の納得と協力を
引き出すきっかけなのです。

 

弊社取組み上、あらゆる意味で
粉飾を開示したことを原因として倒産に追い込まれた
企業はありません。

 

今後数回にわたり、弊社の社名変更の背景と繋がる
中小企業再生への取組みの変化、現在の再生のあり方について
説明してまいります。

 

執筆:今野洋之

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