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中小企業等経営強化法案って何? その7

中小企業等経営強化法案は、5月24日に衆院本会議で可決、成立しました。少しずつですがニュースで採りあげられることも増え、各地方の経済産業局が説明会をはじめつつあります。

 

が、現状では固定資産税の優遇措置ばかりに焦点があたっており本当に重要な、銀行などが行う中小企業評価そのものが変わることには全く触れられていません。

 

今回は、法案成立後の6月2日に開催された産業構造審議会第1回経営力向上部会・中小企業政策審議会第5回基本問題小委員会合同会議(長い名称ですね)で討議された、同法の基本方針(案)を載せて、これまでのメルマガでお伝えしてきたことの裏づけとともに、まとめをしておきます。

 

これまでの常識が覆る内容を、いち早くご確認下さい。

 

※今回掲載するのは、基本方針(案)6項目の内、中小企業に直接関連する記載のある5項目です。

中小企業等経営強化法基本方針(案)

1.経営力向上の定義及び内容に関する事項

中小企業の新たな事業活動の促進に関する基本方針における経営力向上は、「経営資源を事業活動において十分効果的に活用すること」とし、具体的には、「事業活動に有用な知識又は技能を有する人材の育成」、「財務内容の分析の 結果の活用※」、「商品又は役務の需要の動向に関する情報の活用」、「経営 能率の向上のための情報システムの構築」等とする。

 

※ 売上高増加率、営業利益率、一人当たり営業利益、EBITDA有利子負 債倍率、自己資本比率等の指標を活用

2.経営力向上の実施方法に関する事項

計画期間を3年から5年とし、労働生産性を計画認定の判断基準とする。原則、5年間の計画の場合、計画期間である5年後までの労働生産性の目標 伸び率が2%以上とするが、業種・事業規模等を勘案して弾力的に目標を設定することができることとする。

なお、地域の中核的な企業を中心とした取組等のグループによる申請につい ては、グループ全体としての経営指標又は参加者個々の経営指標のいずれでも用いることができることとする。

3.経営力向上の促進に当たって配慮すべき事項

国内の事業基盤の維持のほか、人員削減を目的とした取組を計画認定の対象としない等の雇用への配慮、経営力向上計画の進捗状況を事業者自ら定期的に把握することを推奨、国が経営力向上計画認定や指導助言を行う際の外部専門 家の活用、中小企業の会計に関する基本要領等の活用の推進、計画認定における小規模事業者への配慮等の配慮事項を規定する。

4.事業分野別指針に関する事項

事業分野別指針に定める内容を規定する。

 

(1)現状認識
市場規模、市場動向等当該事業分野の経営力向上に係る定性的及び定量的な事実及び動向

 

(2)経営力向上に関する目標
当該事業分野の特性を考慮し、基本方針で 定める指標及び目標とは異なる指標及び目標を定める事が出来ること とする。

 

(3)経営力向上に関する内容及び実施方法
中小企業等が参考とすべき事 業者の規模等に応じた具体的取組内容及び取り組むべき事項

 

(4)事業分野別経営力向上推進業務に関する事項
経営力向上に係る取組 を推進するために必要な知見、能力、組織体制等

5.認定経営革新等支援業務について

認定経営革新等支援機関が、経営力向上のための事業の計画に基づく取組を 促す。また、認定経営革新等支援機関が、中小企業等と財務・非財務情報の基本事 項について認識の共有を進める。具体的には、ローカルベンチマーク※の活用 を想定。

 

※「ローカルベンチマーク」とは、企業の経営者等や支援機関が、企業の経営 状態を把握し、事業者と認定経営革新等支援機関が、互いに対話を行うため の基本的な枠組みである。

具体的には、六つの財務情報(売上高増加率、営 業利益率、一人当たり営業利益、EBITDA有利子負債倍率、営業運転資 本回転期間、自己資本比率)と経営者、関係者、事業及び内部管理体制の四 つに係る非財務情報から構成される。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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