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銀行融資のリスケジュールしている企業は金利引上げに注意!

最近、懇意になった銀行の方とのお話の中で

 

「できれば、次回リスケジュール期日迄にバンクミーティングやっていただいた方がいいかも…」

 

との要望をいただきました。バンクミーティングと言えば、企業側が銀行を一つ一つ回るのではなく、会議場などの特定の場所に、お取引銀行皆様一同に会していただいて、まとまった中で合議していくもの。

 

銀行同士が一致していることの確認であったり最終的な調整を行う場、として有効ですし、企業側としても取引銀行が膨大(例えば10以上)である場合には効率的でもあるため、わざわざ否定するものではありませんが

 

その時のお客さんの状況からするとわざわざバンクミーティングを開いてまでして、決めてもらわないといけないことは、あるかな?と私には思われたのです。すると…、担当の方が仰るには

貸出金利引上げの動きが強い

「来期(4月)以降、リスケジュール先への金利引上げ要請が全面的に強まる公算が高い」

「企業によっては、銀行からの要求としては倍以上の金利を求めることも、かなりあり得る」

 

のだとか。できるものなら、自分が評価している企業の金利はわざわざ上げたくない、でも本部から指示が来る可能性が高く、実際来てしまうと何もしない訳にも…従って、

 

バンクミーティングを開催して、その際に「今期も現状ままの金利での支援をお願いしたい」とその場で各銀行の了解を得てしまえば、融資担当としても「いえ、この企業はもう、この金利で行くとなっています」と本部に言うことができるんです

 

なるほど…。

苦しい銀行ほど、強硬な対応が予想される

今後、私のお客さんでリスケジュール中の企業については、決算確定後に「決算報告会」の名目でバンクミーティングを行うことを検討します。

 

リスケジュールにおける「銀行の協調体制」というのは主に元本の返済におけるものであって金利については明確な規定がないことから、裏から経営者に

 

「うちは金利引上げを吞んでくれないと、リスケ応じない」

 

と言ってくる銀行は、残念ながら数多いでしょう。なにしろ、金融庁からの指示は、「儲けろ」です。銀行の貸出金利の利ザヤは、下がり続けています。

 

リスケ先なら、銀行もリスクをとっているのだから金利を引き上げしても金融庁への言い訳が立つ…?

 

経営の苦しい銀行ほど、恥も外聞も捨てて強い態度を見せてくることでしょう。

早め早めの対応を!

バンクミーティングを決算報告の形で行うのも一つの手法ですが、特に計画書に対する評価を得ている場合には、「評価してくれているのだから、わざわざ金利は上がらないよね」と言質をとりにいく、「金利の引上げがあった場合には、計画の達成が困難になる」ことを予め書面で報告しながら対話していくなど、標的にされないように、先回りしていく対応が必要になります。

銀行も生き残りのために必死です、企業は悪い意味で巻き込まれないよう、自衛しなくてはなりません。本来、無事に再生することこそが、最大の銀行への報いですから。

この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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