金利引上げ
金利引上げ
私の勤務している銀行でも、最近は融資の金利引上げをしなさいと本部からよく言われています。
どのくらいの水準の金利引上げを言われていると思います?私の銀行では1?2%です。大きい数字と思いませんか?
背景には、不良債権の処理のための原資の確保、融資量優先主義から収益優先主義への転換などです。
しかし、1?2%の金利引上げは、当然融資先は簡単に承諾してくれるはずがありません。
そこで、一気に金利引上げするのではなく、時間をかけて徐々に金利を引き上げていくという手法が取られます。
特に狙われやすいのは、一括返済の手形貸付にて借入している融資先です。手形貸付は、6ヶ月、1年などの期間ごとに書替をします。しかし、銀行には書替をする義務はありません。基本的には書替日は同時に返済日であり、その日に貸付金を回収する契約になっています。手形貸付のため差し出す手形には、しっかりと「支払期日」とうたってあります。
そこで、書替日ごとに金利引上げ交渉をし、応じない融資先は回収をちらつかせて金利引上げを迫ります。
その点、証書貸付には融資先に「期限の利益」というものがあり、融資先は一定期間ごとにやってくる返済日にならなければ返済に応じる義務がないので、金利引上げに応じないからといって回収をちらつかせられることはありません。
金利引上げは、たかが1%の引き上げといっても、それが1000万円の借入に対してのものだったら、年間10万円のコストアップになります。今は銀行の金利引上げ圧力がすごいですが、それに負けないように、皆さん知恵をしぼってください。