銀行員が見る損益計算書のポイントその2
銀行員が見る損益計算書のポイントその2
事業活動の結果として生じる「利益」、銀行はどのように利益を評価するのでしょうか。
利益を評価する基準は2つあります。一つは利益金額、もう一つは利益率です。
前期に比べて売上が増加していても、利益が横ばい、あるいは減少していれば、売り上げ増加分が全く利益に貢献していないことになり、意味がありません。
逆に、前期に比べて売上が減少していても、利益が増加していれば、不採算部門を切った、余分なコストを削減したなどの理由が考えられ、企業にとって好ましく、銀行は良い評価をします。
また、銀行は利益率を分解し、売上に対する売上総利益率、営業利益率、経常利益率、当期利益率を算出し、それぞれ、前期に比べてどうであったか、利益率上昇、あるいは低下の原因はどこにあるか、を分析します。
また、これらの利益率の中でも、銀行が一番重要視するのは、経常利益率です。経常利益は、企業が通常の事業活動で得た利益です。当期利益は、突発的なものである特別利益、特別損失などに左右されるため、銀行は当期利益よりも経常利益の方で企業を評価します。
銀行の行う「格付」においても、売上の大小・増減は関係してきません。たいていの銀行は売上に対する経常利益率を、企業を格付する際の一つの指標としています。
売上ももちろんですが、それよりも利益を、事業活動において重視するようにしましょう。