決算書はしっかり提出しよう
決算書はしっかり提出しよう
既に融資している企業には、銀行は決算期から2ヶ月すぎてから、決算書の提出を依頼します。なぜ2ヶ月をすぎてからというと、企業の法人税の納付期限が決算期の2ヶ月後であるため、それ以降、企業で決算書ができあがっていることが確実だからです。
「うちの会社は、しばらくはお金を借りるつもりがないからいいや」という考えの経営者の方もいらっしゃいますが、融資を受けているかぎりは銀行から決算書の提出を求められます。
融資をしているかぎりは、企業が倒産して融資が貸倒れにならないよう、銀行はたえず融資先企業の業況を把握しておかなければならないため、これから融資を受けるつもりがない企業でも、以前受けた融資の残高があるかぎりは決算書の提出を求められます。
銀行では、融資先企業の決算期を全て把握しているので、決算書提出の依頼忘れはまずありません。
しかし、中には融資を受けているにもかかわらず決算書の提出をかたくなに拒む経営者もいます。なんらかの理由をつけて、決算書を提出しようとしないのです。
そういう経営者はだいたい2つのパターンに分かれます。1つは、業績が好調であり、銀行からしばらく融資を受ける必要がないパターン、もう1つは、業績が不調であり、決算書をなかなか銀行員に見せることができないパターンです。
業績が好調な場合ならともかく、不調な場合でも、決算書はいずれ提出しなければならないときが来ます。その時に業況が不調であることが銀行に知られるよりは、早い段階から銀行に決算書の内容を開示する方が、銀行に与える印象は全然ちがいます。
また、早い段階から銀行に業況の不調を知らせておいた方が、銀行員が資金調達方法・経営のアドバイス等、親身になって考えてくれることが期待できます。
融資を受ける企業と銀行とで、一番大事なことは「信頼関係」です。決算書等、情報をなかなか開示しない企業は、銀行との信頼関係を築くことができません。銀行と信頼関係を築き上げていれば、業況が不調になった場合、いろいろな方法でけっこう助けてくれるものです。