取引銀行を替えることについて
取引銀行を替えることについて
ある程度の業績の企業には、新規の銀行から、よく融資の売り込みがあります。新規の銀行が提示してくる融資条件は、たいていは、金利を安くするなどかなりの好条件としてきます。
銀行の各支店にはそれぞれ、融資量を増やす、というノルマが課せられています。そのため、ある程度金利を下げても、各支店は融資量を増やそうと必死です。
しかし企業側としては、いつでも融資が必要、というわけではありません。その場合、新規の銀行からは、既存の取引銀行の融資を借り換えしませんか?と勧誘してきます。借り換えすると金利を低くできるから、お得ですよ、というように。
この場合、既存の取引銀行の融資を、金利が低いからといって、簡単に借り換えしてもよいものでしょうか。
よほど既存の取引銀行に不満を持っている場合は別として、安易に借り換えしないでください。
新規の銀行が持ってくる、破格の融資条件は、その銀行が新規取引を開始するための武器です。ほとんどの場合、その後、同じような破格の条件を出してくることはありません。なぜなら、破格の条件は採算を度外視したものであるため、それを続けていると、その銀行の収益が圧迫されるからです。
それより、長い付き合いをしている既存の取引銀行と、取引を深めていくべきです。しかし取引銀行を替えるのではなく、取引銀行を増やす、という考え方ならよいでしょう。
また、新規の銀行が持ってくる破格の融資条件を、既存の取引銀行の融資条件を良くさせるための「ダシ」とすることもできます。新規銀行の破格の融資条件を既存の取引銀行に話してみると、既存の取引銀行も、今後の融資条件を良くしてくれることはよくあります。