本末転倒です
私のところにご相談に来られる方の中で一番多いのは資金繰りのご相談ですが、多くの経営者が思い込んでいること、それは、
「借りた金は、必ず返さなければならない」
ということです。
多くの経営者が、
「商工ローンなど高利のところから借りて、銀行の融資を返済する。」
という、「大きなあやまち」をしています。
確かに、銀行の返済が、苦しくなることがあるかもしれません。
その場合、とるべき選択肢は、
×→別のところから借りて、銀行へ返済する。
○→銀行の返済を、減額交渉する。
です。
×の、「別のところ」とは、ほとんどの場合は、商工ローンなど高利のところ、というパターンになります。
銀行から新たな融資を受けられないから、高利のところから借りるしかないからです。
しかし、考えてみてください。なんで、金利29%で商工ローンから借りて、金利3%の銀行融資を返済するのでしょうか。
商工ローンから借りると、そのうち9割の会社は、
「会社・社長が、半年以内に、借入先が5箇所以上になる。」
というパターンとなります。商工ローンは高利なので、銀行融資だけですんでいるうちは、商工ローンから借りるのに慎重になりますが、一回商工ローンから借りてしまうと、気がゆるんでしまうのか、一気にいろいろな商工ローン・サラ金から借りてしまう、ということになります。
これは、私が50社の資金繰り相談を受けて、得た結論です。
銀行の融資が返済が困難になった場合、とるべき選択肢は、銀行の融資の返済減額交渉を行う、です。
ただ、そのような判断は、専門家とも相談して、行うべきです。
返済金額を減額したら、新たな融資は受けられなくなるので、専門家と相談して考えた方が、ベターです。
また、こういうことも考えてみてください。
商工ローンは、ほとんどの場合、家族・親族・知人など、保証人をつけることを要求してきます。
また、商工ローンは、返済ができなくなると、銀行のように返済減額交渉を行うことが困難です。保証人に取り立てに走ります。
そうすると、保証人に「多大な」迷惑をかけることになります。
一方、銀行融資だけに抑えておけば、銀行は返済減額交渉を行うと、ほとんどの場合、それに応じてくれます。
また、銀行は保証人に取り立てにいくのも、最後の最後です。また取り立てに言っても、むちゃなことはしません。払えなければ払えない、で済むことも多いです。
商工ローンから借りるということは、保証人に迷惑をかける、ということになります。
もし、保証人に迷惑をかけたら、あなたはどうなるのでしょうか。
一生、「重い荷物」を背負わなければならないことになります。
銀行へ返済できないからといって、安易に商工ローンに走るのは、やめてください。