なぜ私が銀行融資をテーマにした講演をしないのか?
このメルマガは「銀行融資」をテーマにしたものです。
こういったメルマガを書いているので、私のところには
「銀行融資をテーマに講演をしてくれないか。」
という打診を、ときどきいただくことがございます。
しかし私は、講演はあまり気が進まず、ほとんどの場合、お断りしております。
それはなぜかというと、私自身、人前で話をするのが苦手というのもありますが、一番の理由は、
「銀行融資について講演することが意味あるのか。」
という、私の中での葛藤があるからです。
そもそも、銀行融資というものは、どの企業にも当てはまる「必勝の法則」が見つけにくい分野であります。
考えてみてください。中小企業1社1社、財務の状況、置かれた状況は千差万別です。
財務状況が良い企業もあれば、悪い企業もあります。
粉飾決算があからさまな企業もあれば、やっていない企業もあります。
その会社や、経営者自身の「過去」もさまざまです。
現在の借入状況も、さまざまです。
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というように、銀行融資を受けやすくなる方法については、私の中では
「決算書や試算表などの資料を見ながら、面談相談を行う中ではじめて、良い方法をアドバイスできる。」
という考えで、かたまりつつあります。
1社1社、個別対応でどうすべきか検討していくのが、最も良い方法です。
以前、35名の中小企業経営者の前で、銀行融資について講演したことがありますが、その後の反応やアンケートを見ても、どうも私はしっくりきませんでした。
多くの人に満足いただけた、という感じがしなかったのです。
私なりに、銀行のウラや、新しい考え方など、興味を持っていただけそうなことをなるべく多く話したつもりですが、なぜ私はしっくりこなかったのだろう、と考えてみました。
そこで思いいたったことは、
・35名の経営者の多くを同時に満足させる話をすることは、銀行融資をテーマにした講演では難しい。
・なぜなら講演参加者の多くは「自社の悩みを解決したい」と考えている方であり、その解決のためには、講演ではなく個別対応が、銀行融資という分野では適しているからである。
ということです。
あと、講演はどうしても短時間になり、3時間程度の話では、多くを伝えることはできない、ということも思いました。
そこで、それ以来、講演は極力、やらないようにしています。
講演をやらないコンサルタントなんて、ほとんど聞かないかもしれないですが、私は1社1社に合わせた、面談相談を重視するコンサルタント、というスタンスでやっていきたいと思っています。