社員の成長には
社員の成長には
私 :「社長、社員のみなさんは、社長や専務の指示に従い、
成果を出していますか?」
社長:「それが、出てないんだ。みんな素直に指示を受け、真面目にやっては
いるが、どうも成果かがついてこない。」
私 :「なぜでしょうね。」
社長:「全く分からないな。」
このような状況は、どこの会社にもある。
しかし、ここで社長が全く分からないと答えるのは問題であり、
できれば、なぜ成果が上がらないのかという原因は概ね掴んでいるが、
それを改善する良い方法が見つからないと答えて欲しいものである。
成果が出ない原因は、大きく分けて2つである。
一つ目は実行していない、
二つ目は間違った方法で一生懸命に実行している、である。
一つ目の事例としては、外回りの営業マンの活動である。
言葉や営業報告書では、どこにどのようなことをしたかという立派な事柄が
並んでいるが、実は5分程度の訪問であとは公園で時間を潰している場合である。
ただ、このような人は問題外である。
二つ目の事例としては、人としては非常に真面目であるが、
自らが考えて応用する力が不足している場合であり、
いわゆる指示待ち人間である。
多くの場合、性格という言葉で表わされている。
では、その人の性格を上司はどれほど知っているのだろうか。
私は、この性格を上司がどれほど知っているのかによって、
その人の成長が分かれると思っている。
社員の成長は、
『社員の成長=性格の把握×将来像の明示×課題の明確化』である。
性格の把握とは、上司が部下の性格をどこまで把握しているかである。
単にあの人は、「物静かな人だ」ではなく、
なぜそのように物静かなのかを理解することである。
人には人それぞれに、そうなる理由(無意識も含む)がある。
そしてその多くは、これまでの生活環境に大きく左右されている。
また、現在のモチベーションの確認も必須である。
将来像の明示とは、上司が部下の夢や希望を理解しているか。
またその夢を踏まえて、社員に対して将来どうなってもらいたいかを、
部下に明確に伝えることである。
課題の明確化とは、上司と部下が現在の部下の課題を共有し、
具体的な解決策を上司が出していることである。
この3つを掛け合わせて社員は成長する。
しかし現実は、社員一人ひとりの性格や価値観を
その人の問題だと部下と関わらず、また、将来への期待を言葉で伝えず、
目の前の失敗ばかりを責めている。これでは、成果がでないのは当然である。
課題の明確化は、本来は最後にすべき改善策なのである。