読者は縦糸、実践は横糸
私 :「社長、先月作成した計画は、予定どおりに進んでいますか。」
社長:「その件なのだが・・・。」
私 :「どうされましたか。何か、問題がありましたか。」
社長:「どうされましたか。何か、問題がありましたか。」
私 :「それでは、何も変わりませんね。」
社長:「・・・」
PDCAという言葉を、良く聞かれると思う。
{Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Act(改善)cycle}
会社を改善する際に、私は社長からじっくりと話を伺い、
明るい未来づくりのために改善計画を作成する。
しかし、時に、計画が作成されたことに満足され、
すぐに実行されないことがある。
また、実行されたとしても、時間が経てば、もとどおりの行動パターンに
戻ってしまうこともある。
現場が忙しい時には、なおさら実行されることはない。
P(Plan・計画)の後に、D(Do・実行)があるから
PDCAサイクルが生まれる。
当然Pで終わるなら、このサイクルは生まれない。
二宮尊徳翁の教えに、
「読書は縦糸であり、実践は横糸である」という言葉がある。
私は個人的に、二宮尊徳翁の教えが好きなので、引用させてもらうことが多い。
この言葉にもあるように、知識は使って初めて役に立つものであり、
使わないのであれば、本を読むこと自体が意味をなさない。
つまり、改善計画を作成したとしても、その計画に沿って行動しないのであれば、
計画自体に意味がなくなる。
当然、会社は前のままであり、良くはならない。
このように話をすると、「よく頭では分かっているのだが」と言われる。
そのような時は、何を目標としているのか、またその目的は何なのかを
自問することである。、
改善計画を作成することが目的になると、行動に移すことは難しくなり、
改善計画を作成することは、会社を良い状態にするための手段であると思えば、
その手段を使おうという気持ちになり、行動に移りやすくなる。
また、会社を良くする目的は、社員の生活や幸せを守ることだったりする。
全ては、実践でしか変わらない。
実践のための思考を持ち、会社を良くして頂きたい。
執筆:野上智之