目標指標の細分化
社員の目標は社長の大方針から落とし込まれますが、その落とし込み方法が
分からず、社長と同じ言葉が社員の目標になってしまうことがあります。
これでは、その目標を達成することは難しいです。社員一人ひとりは、自分の
役割と照らし合わせ、振り返りができるように設定しなければなりません。
私 :「社長、そろそろ来期の計画を検討する時期ですね。」
社長:「そうだな。」
私 :「来期は、どのような方針をお考えですか。」
社長:「来期は今期の基盤を活かし、売上を130%にしたい。」
私 :「なるほど。その落とし込みを次の会議から始めましょう。」
社長:「来期計画は、社員に真剣に考えてもらうよ。」
目標を設定する際、何を指標として挙げるべきか、悩みどころである。
例えば、売上という項目も指標となるが、売上100万円という数字だけでは、
これからどうやって売上100万円をクリアするのかが不明確であり、結果とし
て100万円に到達すれば達成であり、それ以下であれば未達成ということになる。
この設定では未達成の際、どうして達成できなかったのか原因も分からず、
次の改善策も見いだせない。
また、翌月の修正目標は、単純に前月の遅れ分を上乗せして130万円という
数字になってしまう。
しかし、そもそも100万円が達成できない人が、翌月に130万円をクリアできる
だろうか。恐らく難しいであろう。
更に、このように遅れ分の数字の上乗せは、どんどん現実性のない大きな数字
になってしまい、結果として始めからあきらめ感が蔓延し、指揮はどんどん
下がってしまう。 それでは、どうすればよいだろうか。その答えは細分化である。
例えば、一つの商品の売上を上げたい場合、単価×個数に分解する。
そして、売上を上げる方向性を単価のアップにするのか、それとも個数の
アップにするのかを考える。
単価のアップに重点を置く場合、単に金額を上げて売れるわけはないので、
その商品にどれだけの付加価値を付けるかを考える。
個数のアップに重点を置く場合、ひとりの人が必要以上に同じものを
複数個買うわけはないので、複数個買う理由を考える。または、金額を安くして、
多くの人が買いやすいようにするかも知れない。
このように、どうやって売上を上げるのか細分化して考え、それを指標として
目標を設定すると、具体的行動に落とし込みやすくなる。
また、仮に計画どおりに売上が上がらなかった場合でも、
検証ができ、次の改善策が打てる。
よって、社長の方針を達成できるか否かは、それをどれだけ細分化できたかに
よる。是非とも社員全員で目標を検討し合い、会社の成長を果たして欲しい。
執筆:野上智之