リスケジュール交渉の前に預金口座をカラにしておく
リスケジュール交渉をスピードアップするために
リスケジュールは、融資の返済を止めるという、銀行にとっては後ろ向きの
仕事です。それが銀行にとって、利益に貢献するわけではありません。
そのため、銀行ではリスケジュールの手続きは、どうしても遅くしがちです。
その手続きのスピードアップのために、融資の返済を行っている返済用の
預金口座で、返済が引落しされないようにする、という方法があります。
リスケジュール交渉を行っていく銀行において、次の融資の返済日の5日
ぐらい前までに、その預金口座をカラにしておきます。そして、返済日当日
に、引落しされないようにします。
銀行は、正常に返済されている融資のリスケジュールは、手続きは遅くして
しまいます。なぜなら、正常に返済されているから、わざわざリスケ
ジュールしなくてもよい、と考えるからです。
しかし延滞となってしまった融資は、その延滞という異常の状態から、
銀行と契約書を結んでリスケジュールするという正常の状態にするために、
リスケジュールの手続きは急ぐようになります。
ただ、黙って延滞をしてはいけません。延滞の2~3日前に、延滞しそうで
あることを銀行に一言、話しておくだけでも、銀行に与える印象は違います。
できれば経営者自ら銀行に出向いて、どうしてもやむをえない場合は電話で、
次の返済は延滞しそうだということ、そしてリスケジュールを申し込む
つもりだ、ということを、銀行に話します。
また延滞するわけですから、当然、銀行にはおわびの言葉を言うべきです。
このように、銀行に対し誠意を見せておくことによって、銀行に良い印象を
与え、その後のリスケジュール交渉にスムーズに入っていけるわけです。
また延滞しそうだと言われた銀行員は、当然、それを上司に報告することで
しょう。支店長までその報告がまわることでしょう。
支店長まであらかじめ知っておいてもられば、リスケジュール交渉の気構え
を支店全体でしてもらえることになります。
なお、延滞の2~3日前に言っておいた方がよいのは、もっと前の日にその
ことを言うと、返済日までになんとかお金をかき集めて延滞させないでくれ、
と銀行に言われてしまうからです。
預金は別口座に移しておく
なお、延滞させる預金口座から出した預金は、融資を受けていない銀行の
預金口座に移しておきます。
当然、延滞させる預金口座に、後に取引先からの売掛金入金があったら、
自動で引き落とされてしまうことになります。
あらかじめ、取引先には売掛金の振込口座を変更してもらうように、お願い
しておくことが必要です。
また電気代や電話代などの口座振替を、融資返済用の預金口座でやっている
のなら、その振替ができなくなっては困るため、変更を行っておくことが
必要です。
このように、細部まで気を遣うようにします。
企業としては、銀行から新たな融資を受けることが困難になれば、リスケ
ジュールを検討しなければなりませんが、リスケジュールの交渉開始が
遅れてしまうと、それだけ返済が進み、手元の現金預金が少なくなって
しまいます。
またリスケジュールを申し込んでも、預金口座から引落しがされてしまう
状態であれば、交渉が長引くほど、もしくは銀行でのリスケジュール手続き
が遅れるほど、返済が進んで手元の現金預金が少なくなってしまいます。
そのため、返済用の預金口座をカラにしておくことによって、現金預金を
少しでも多く確保できるようにしておくべきです。