リスケ中でも資金調達できる方法とは?売掛債権担保融資・リースバックの活用法と融資が実際に通った2つの事例
「リスケ中は一切の融資が受けられない」と思い込んでいる経営者は少なくありません。確かに信用保証協会付き融資は利用できなくなりますが、状況によっては資金調達の手段が残っています。本記事ではリスケ中でも活用できる2つの資金調達手法と、実際にリスケ中でも融資が実行された2つの事例を解説します。
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リスケ中に保証協会付き融資が使えなくなる理由とは?
中小企業にとって最も一般的な資金調達方法は、信用保証協会付きの銀行融資(マル保融資)です。しかしリスケジュール(条件変更)を行うと、そのリスケした融資が保証協会付きである場合、以下の状態が発生します。
| 状況 | 影響 |
|---|---|
| 保証協会付き融資をリスケジュールした | 全ての銀行で新たに保証協会付き融資を受けることができなくなる |
| メインバンクのプロパー融資を依頼 | リスケ中という状況から応じてもらえないケースが多い |
リスケジュールによって定期的な元金返済がなくなり手元キャッシュは安定しますが、建設業等では工事の前払い資金が必要なタイミングが出てきます。そのような局面で活用できる手段が「特定資産を活用した資金調達」です。
方法①:売掛債権担保融資(ABL)の仕組みと活用のポイント
売掛債権担保融資とは、自社が持つ売掛金を担保として、その範囲内で融資を受ける手法です。主にノンバンクで取り扱っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 仕組み | 売掛金を担保として融資を受け、売掛金が回収されたら返済する |
| 融資額の決まり方 | 自社の財務状況に加え、売掛先の財務状況も評価される。売掛金の全額が融資されるわけではない |
| 効果 | 売掛金の回収を早めることに近い効果がある。手元資金を一時的に厚くできる |
| 注意点 | 通常の銀行融資より金利が高い。売掛先が万一回収不能になった場合のリスクがある |
方法②:有形固定資産のリースバックの仕組みと活用のポイント
リースバックとは、自社所有の機械・車両等の動産をリース会社に売却し、その後リース契約を結んで引き続き使用できるようにする手法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 仕組み | 自社の機械・車両等をリース会社に売却し、リース契約で引き続き使用する |
| 融資額の決まり方 | 有形固定資産の時価・簿価による評価額 |
| 効果 | 売却代金で一時的にキャッシュポジションを上げられる。設備を手放さず使い続けられる |
| 注意点 | 月々のリース料が発生する。リース期間中は資産が自社所有でなくなる |
リスケ中に実際に融資が通った2つの事例
「リスケ中は絶対に融資は受けられない」という思い込みを打ち破る事例が実際に存在します。レアケースですが、どのような条件・状況であれば可能性があるのかを知っておくことは重要です。
事例①:製造業K社(リスケ中に政府系金融機関から追加融資)
地方銀行1行と政府系金融機関1行からの借入をリスケしていたK社は、毎月少額の弁済を継続しながら黒字を確保していました。この状況で政府系金融機関が追加融資を実行しました。
融資実行の背景には「リスケ中でも毎月確実に弁済を継続していた実績」と「事業が黒字であるという数値の裏付け」がありました。民間銀行ではなく政府系金融機関だからこそ可能だったケースであり、誠実な弁済継続が評価された事例です。
事例②:建設業(メインバンクがプロパーで短期資金対応)
リスケ中の建設業者が工事受注のための前払い資金を必要としたケースです。保証協会付き融資は一切使えない状況でしたが、長年の取引実績があるメインバンクがプロパー融資(保証なし)で短期の運転資金に対応しました。
銀行側の判断の背景には「受注済みの工事という明確な返済原資の存在」と「経営改善計画の進捗が良好」という2点がありました。
⚠️ これらはあくまで個別事例です。リスケ中の新規融資は金融機関・状況により判断が大きく異なります。まずは担当者や専門家に相談した上で可能性を探ることをお勧めします。
これらの手法を使う前に確認すべき重要な注意点
売掛債権担保融資・リースバックはあくまで緊急的な資金調達手段です。本来リスケ中にやるべきことは、損益を改善して手元資金を厚くすることです。
これらの手法を使っても返済原資がなければ、たちまち返済や支払いに行き詰まり、担保を押さえられるリスクがあります。売掛金や事業に必要な設備がなくなることは、今後の事業継続に相当な痛手となります。
活用する際は以下の条件を満たしていることを確認してください。
| 確認すべき条件 |
|---|
| 支払いが先行するが、回収(売上入金)の目途が明確についている |
| リース料・金利を含めた返済が現状のキャッシュフローで対応できる |
| 調達した資金の使途が明確で、事業の継続・回復に直結している |
よくある質問
Q. リスケ中に日本政策金融公庫から融資を受けることはできますか?
可能性はあります。日本政策金融公庫は民間銀行の保証協会付き融資の制約を受けないため、事例①のように政府系金融機関が追加融資を実行するケースが存在します。ただし事業計画書の提出が必須であり、事業の再建可能性について公庫が個別に審査します。リスケ中の場合は認定支援機関や専門家と連携して申込を検討することをお勧めします。
Q. 売掛債権担保融資の金利はどのくらいですか?
通常の銀行融資より高く、年率で数%〜十数%程度になるケースが多いです。ノンバンクによって異なるため、複数社から見積もりを取り比較することをお勧めします。高金利でも短期間での回収見込みがある場合は有効な手段になりますが、金利負担が資金繰りをさらに悪化させるリスクもあるため、慎重に検討してください。
Q. リースバックに適した資産はどのようなものですか?
時価・残存価値がある機械設備・車両・工作機械などが対象になりやすいです。逆に老朽化が著しいもの・特殊すぎて流通市場がないものは評価額が低くなるか、リースバック自体が難しい場合があります。リース会社によって対象資産の範囲が異なるため、まず自社の保有資産のリストを作成した上でリース会社に査定を依頼することから始めてください。
Q. リスケ中に資金調達を検討する場合、まず何をすべきですか?
まず現在の資金繰り表を作成して「いつ・いくらの資金が不足するか」を数字で把握することが最初のステップです。次に取引先のメインバンクに現状を説明し、プロパー融資対応の可能性を確認します。それが難しい場合に売掛債権担保融資・リースバックを検討する流れが適切です。いずれの手段も認定支援機関や事業再生の専門家に相談しながら進めることをお勧めします。
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執筆:坂将典







