意外に重要!「事業を行う場所」
会社を再生・存続させていくための条件を考える時には
適正なコストの検証は、避けて通れません。
企業にとって最大のコストは人件費。
人件費にメスを入れるのは、社長の気持ちにも大きな負担となりますし
削減した結果、売上と利益が減ってしまっては、
元も子もありません。
一方、それ以外のコストというのは
言われなくとも、「削れるものは、削っている」という企業がおおいもの。
非常に頭の痛い問題です。
しかし、口に出してしまえば簡単なのに、
忘れがちな、
思わぬところから経費を大幅削減できることがあります。
その場所で仕事をしていることが、本当に正しい?
実際にあった事例を簡単にご紹介しますと
・東北地方の運送業者
「値引き圧力を受けているため、なかなか利益の改善ができない」
⇒かといって、ドライバーを減らすと、売上も上がらなくなる・・
⇒負債を処理するために、
おもいきって会社の隣接地(駐車場)の所有不動産を売却し、
代わりの賃貸の駐車場を探すことに・・
⇒会社から離れた場所ではあるが、
運送範囲の中心に近い、郊外の駐車場と賃貸契約
⇒そのことで、支払い賃貸料の削減に加え、燃料費の削減へつながり
利益が年間で500万円の改善。
というような流れでした。
上記の事例の場合は、
以下の三点がポイントとなります。
新たに賃貸する駐車場を探す際、
・燃料費の削減を基準に考えた
・賃貸料を最低限にする基準で考えた
・移動や手間、渋滞等の回避も考えた
会社のコストは、
ただ単純に安くしたい、ということだけではなく
あらゆる面で考えていくとことが
重要なポイントになるということです。
自社、顧客、仕事の流れを何度でも見直す
「どのようにして適正なコストを知るか?」ということは
よくテーマとなるものですが、大きな風呂敷を拡げすぎても、
なかなか実行することは難しいです。
とはいえ、自社と仕事の流れを十分に知り、
最適化することは可能です。
会社のコストは常に管理するべきものではありますが、
「もっと安く、もっと安く」だけではモチベーションも上がりません。
最も利益を上げるために最適化することが大切です。
この前提があれば、金融機関等から経費・コストの質問が来たとしても
胸を張って答えることができることでしょう。
執筆:今野洋之