円滑化法終了後の条件変更更新状況
『 円滑化法終了後の条件変更更新状況 』
先月3月末日をもって、円滑化法が終了しました。政府として、
円滑化法が終了した後も、金融機関対応はこれまで同様に条件
変更に応ずるものと言われています。
自分が担当させていただいている顧問先でも、複数件がこの4月
に条件変更の更新(再リスケ)を迎えました。
直近の月次試算表はもちろんのこと、損益の予実管理表や、資
金繰り表、場合によっては修正の経営改善計画書を持参し、経
営者に付き添い、説明にあがりました。
各金融機関の対応は、金融庁のチラシを見せながら、円滑化法
が終わっても、今まで通り真摯に対応させていただきます、と
いった形で、どこも同様の説明をしてくれました。
政府をあげて声高に言ってきたことですので、予想どおりと言
えば、その通りなのですが、この対応がいつまで続くのかは、
気になるところです。
今後の金融機関対応がどうなっていくかですが、夏の参院選ま
では続くと思っております。政府与党としては、中小企業対策
に力を入れていることをアピールする必要があり、様々な方策
を打ち出してきています(実務的にどれだけ活用できるかどう
か、という懸念はありますが)。
各金融機関としても、円滑化法が終了し、銀行が条件変更を継
続的に更新しなかったことによる「倒産」が出てしまうと、世
間的によろしくない、という判断も働いているかと思います。
逆に言いますと、夏が過ぎれば、参院選も終わるし、円滑化法
終了から一定期間経過するので、金融機関としても、円滑化法
終了の影響による倒産ではない、という説明もつけられること
になります。
最近の株高等の影響や、景気が上向いている感が、中小企業へ
も夏までに出てこれば、夏以降の条件変更でも、借入返済額の
増額等の対応ができるのですが、現実的に中小企業に良い影響
が実際に出てくるのは、大企業が良くなってから、2~3年経っ
てからと言われています。
正直、それまでは、中小企業への実質的な好影響は少ないと思
います。
ただ、そんな中でも、2年後からこういった仕事が立ち上がりそ
うだとか、そんな声もちらほら聞こえてきているのは事実です。
ともかく、そういった声を収集して、かき集めてください。
かき集めることで、そのなかで取り組みの優先順位を決めてい
くこともできますし、金融機関や利害関係者への説明材料にも
なります。
情報収集と、その情報の提供の使い分けが、経営者としての重
要な仕事のひとつでもあります。
社内外へ、よりよく見せることも必要なことですので、上手に
強かにアピールしていきましょう。
執筆:坂将典