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2016年の金融行政と中小企業経営の展望 その1

ご存知の方も多いと思いますが、
ここ数年中小企業の倒産件数が減少しているというのは
表面上の事実として間違いありませんが
実態の状況としては全く異なる現実があります。

 

今年の企業倒産件数は10000件を割り込む
見込みですが、「廃業」件数は約3倍、30000件に近い件数
と予想されており、長期的に増加傾向にあることは
変わっていません。

 

なくなっていく企業数(倒産件数+廃業件数)としては、何も減ってはいないのです。

政府の意思

 

金融円滑化法に前後して緊急保証制度が生まれましたが
これは実態としては、融資金額の増加する要因とは考えられません。

 

平成10年~12年の間に存在していた
「安定化資金」 が平成15年ごろに「セーフティネット」
に切り替わり、さらに緊急保証精度に移り変わった
ものであって、政府(国家)として
新たに、真水の融資が生まれてはいないと考えるのが妥当です。
制度の名前が変わっただけ、というべきものです。

 

ここ15年以上、融資を新たに注入するという意味での
新規融資精度というものは、実際には存在していないのです。

 

正直なところ、政府としては今後も新規融資制度を導入する意志はありません。
創業融資や新規設備・技術開発に関わるものだけは
ある程度の積極性を維持することでしょう。

 

結局、国は今後の日本経済の縮小を鑑み

  • 企業数の減少は避けられず、無理やり維持しようともしない
  • 企業の代謝を促進し、より新しい分野にリソースを供給したい
  • 「代謝」を考えるにあたり、事業収益とキャッシュフローを出せない企業は、代謝されても止むを得ないと考える
  • 特に税金の未納については、キャッシュフローを出していない表れと解釈されるので、尚更助けない
    (国民の義務を履行していない、という意味でなら尚更)

 

という姿勢を崩さないことでしょう、いい、悪いは別の問題として。
国の本音としては、国家財政が苦しい中で
20年近く、融資枠を増大させ続けているのだから、もういいでしょう?
ということです。

 

実務上では、税金や社会保険の未納がある企業に対する
税務署や年金事務所の対応は厳しさを増す一方です。
以前よりも早いタイミングで、より少ない金額の未納に対して
差押などの強制執行を行うことが頻発しています。

 

資金繰りが危険水域にある企業はどうしても
税金や社会保険の納付を後回しにしがちです。
場合によっては取引先への支払や銀行への返済を行っていても
納税などは先送りしてしまうものなのです。

 

原因は簡単。

 

「納税は、自動引落をせず、納付書を使わなければ、
とりあえず支払いをしなくとも支払期日を越えることができるから」

 

すぐに問題になるわけではなく、相手の顔色が見えるわけでも
ないので、困ったときに思い当たってしまうわけです。

 

今後はいままで以上に、
資金繰りの管理が必要になることでしょう。
この状況を踏まえて、次回は

 

  • 金融再々編が噂される銀行はどのように動く?
  • 中小企業の対応は?

 

についてお伝えしたいと思います。

 

執筆:今野洋之

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