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どこまで自分の影響を残すか?

今回は「どこまで自分の影響を残すか?」というテーマで、いわゆる社長を離れた後、どう会社との距離をとるか?についてお話をさせていただきます。

 

実は、自分の分身でもある会社から完全に引退することは実は結構難しいことです。また潔く身を引きたいとは思っていても、収入問題もあり、どうしたらよいか?のご相談をいただくことも多くあります。

トップダウン型組織での大きな課題

中小企業でよくあるトップダウン型の組織体系では、事業承継に大きな問題が生じるケースが多くあります。問題といっても、形式上は見えるものでなく、社員さんたちや取引先などの利害関係者の中で不安視される。といった性質のものです。特に創業者初代から2代目というパターンでよくあります。次のようなケースで多数見られます。

 

・旧経営者の本人ならではの営業力がかなり大きく、新経営者の営業力が未知数であること

 →取引先の離反が想定されます。

 

・旧経営者の人柄が組織運営のモチベーションとなっている状態

 →代表者の交代とともに、社員が去るケースがあります。

 

一般的に、代がわりによる取引先や社員さんの入れ替わりは多少発生します。だからこそ、取引先や従業員体制において致命傷を生じさせない必要があります。対応策は、新、旧の両経営者が一定期間並走することです。企業規模にもよりますが、最低で2年、できれば6年の期間はとってほしいと思います。

 

副社長・社長体制 

社長・会長体制

 

時間を掛けて、新経営者に実績と人脈を引き継いでほしいと思います。事業承継については、「急いては事を仕損じる」といった気持ちで取り組んで頂きたいと思います。

代表権をどう持たせるべきか?

代表権を持つということは、登記上にその旨を明示し、法人の代表者であることを明らかにすることですが、この代表権は2人以上の取締役が持つことが可能です。

 

事業承継の過程で、社長、副社長、会長などが代表権を持ち代表権を2名でお持ちになることはかまいませんが、取引先との関係、社内組織的の問題が生じない見込みになった時点で、前経営者の代表権の有無は銀行の連帯保証解除のキーになってきます。

 

新経営者が連帯保証を応諾し、かつ、前経営者が代表権を持たないこととなった時点で銀行へは連帯保証の解除を申し込むタイミングでしょう。

 

ただ、親族間承継の場合、連帯保証人の解除は簡単にいかないことを覚悟してくださいね。連帯保証の切り替えについては、金融機関側がなんだかんだと理由をつけて先延ばしにしてくる傾向にあります。

 

また、親族間承継の場合、複数の子息へ代表権を付与するケースを見たことがありますが、責任の所在があいまいな状態で諸契約ができてしまうことになりますので、新経営者への代表権付与は、1名のみという形が望ましいです。

 

会社を複数分割するのであれば、分社等で法人を分け、それぞれに代表権を1名付与するべきでしょう。

後ろ盾を必要とされているのかどうか

先ほど述べましたとおり、トップダウン型の組織運用をしていた会社においては前代表者の影響は多大であります。ので、前経営者が代表権を失った後でも、ある程度の後ろ盾を必要とする場合は、取締役会長という形での関与も合理性があります。

 

また、取締役会がない組織形態の場合は、相談役、顧問などの形式を取って頂いて、後ろ盾として社長を支えることも必要でしょう。

 

新経営者のやる気を萎えさせない様、影なりに支えていく事が事業承継で先代へ求められた役割であると考えます。

 

新経営者が気付かないことのアドバイス、謝ったジャッジについて諌めるべきこと、など、後ろ盾として立つ必要がある限り支援してく必要があります。

 

逆に組織形態がしっかりしている場合は、先代経営者は社外から見守るのがよいでしょう。

“意志”を引き継ぐ

創業の思いや願いであったりしたものを、今後も引き継いでいってもらいたい。とお考えであれば、是非「経営理念」を引き継いでください。意志を引き継ぐのは幹部ばかりではありません。

 

会社によっては社是や綱領という形で、壁に貼ってあるケースをよくみますし、朝礼や集会で音読等しているところも多いかと思います。今風に言うとクレドだとかフィロソフィーだとかいろいろありますが、要諦は何ら変わることではありません。

 

小さなカードにして身分証の裏に添え、全社員に配るなどの工夫をしているところが増えています。

 

執筆:嶽洋次郎

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