エクステンドが見た再生企業の共通点(その4)
新年4回シリーズの「再生企業の共通点」、
今回で最終回となりました。
経営管理の必要性は
「管理される」ものが社員の活動や顧客情報ではなく
経営者や経営そのものであること、
「管理するもの」が企業の将来像に対する進捗であり、
その物差しとして理念やビジョンが存在することに触れてきました。
社員に強制してやらせるものでは、本来ないのですが…。
言うのは簡単、では、やるのは?
できる企業は、5%以下?
「理念やビジョンが存在し、その実現のための経営計画や事業計画が存在する」
「実現のための組織に適正化する」
「実現へ向かっているのか確認できる管理体制を構築する」
「実現に向かっている・いないを正しく評価できる」
弊社前身の株式会社フィナンシャル・インスティチュートから数えると
合計で12,000件もの経営相談をいただき、中小企業の企業・事業再生に
取り組んできましたが、再生を成し遂げた、と言える企業の共通点は
上記4項目の実現です。
経営管理体制の構築は、そのための不可欠かつ重要なステップであり
手法ですが、実際できている企業と言えば…、
50%でも、20%でもありません。
せいぜい数%、5%にも満たないことでしょう。
この4項目は、言われれば知っている、と答える方が大半ですが
出来ているか、という意味では9割以上は残念ながら
出来てはいないのです。
再生企業の経営者は「分からない」ことが極端に少ない
私の実務上の経験で言えば、再生できる経営者というのは
「分からない」という言葉をほとんど仰りません。
使うとした場合も、
「〇〇だから、分からない」
「○○の結果が出るまでは、保留」
というように、分からない理由や、分かるための条件が
はっきりしています。
さらに、厳しい状況であったとしても、過剰な不安感や
焦りを持っていません。
考えるべきものを考えて、実施して、
出た結果が良ければこう、悪ければこう…
と、次の展開が見えているからです。
つまり…、
「状況を把握して、納得して決断して、動く」ため人事は尽くしていること
最悪の展開になっても対応を決めていることが
経営者の安心感を残しているのでしょう。
2017年、エクステンドも発展的変化を行います!
数%の再生実現企業に学び、経営管理体制を確立する…、
今年より、弊社も銀行対応のみならず、
日本の中小企業の再生と再発展、ひいては
企業経営者が努力して積み上げてきた、生きた証を
正しく未来に残すためのコンサルティングを、
より前面にしてまいります。
そのため、銀行対応についてはこれまで通りお伝えする
ことに加えて、上記4項目の取組みについても
お伝えしていきます。
弊社の12年・12,000件の歴史から生み出される
実践再生コンサルの姿は、
近いうちに、ご案内させていただける予定です。
執筆:今野 洋之