金融庁から金融機関への検査・監督内容の見直しが発表されました
思えば、この1年間、新聞記事などで
「中小企業」「金融庁」をキーワードとする文面が
随分増えました。
2014年くらいまでは、本当に少なかった(なかった)ことから
すると、大きく様変わりしたものです。
この春からは、いよいよ各金融新制度が本格稼働します、
皆様準備は万全ですか?
あなたが、「知らなかったから出来なかった」という不利を
受けることがありませんように、弊社も一層の取組みを
進めます、どうぞよろしくお願いします!
金融庁から金融機関への検査・監督内容の見直しが発表されました
これまで何度にも渡ってお伝えしてきました
金融検査マニュアルの撤廃についてですが、
今般「マニュアルの刷新」という形で報道がなされました。
2/24日経では
「銀行検査、稼ぐ力に重点 金融庁、マニュアル刷新へ」
という見出しで大きな記事を載せています。
銀行にも求められる「将来の成長性」の証明
金融検査マニュアルに沿った厳しい(中小企業向け融資の)査定や
細かく定められたルールが守られているかどうかという検査、監督は
とにもかくにも
・不良債権額(率)がどれだけあるか
を統一ルールで国家として把握するためのものでした。
が、不良債権処理が既に一段落した今日、金融機関が立ち向かうべきは
・高齢化、労働者人口の減少
⇒将来的な企業の減少、経済の縮小、融資残高の減少
・低金利(マイナス金利)による貸出利ザヤの減少
⇒金利収益の悪化
であり、金融機関が将来的に財務の安全性を維持できるか、
というポイントに移っています。
かつ、数年以内に半数以上の地方銀行が、本業(≒貸出業務)において
赤字に転落するという金融庁の昨年の試算から、
将来のこととはいっても今すぐに対応が必要、という金融庁の
強い意思が込められています。
「どうやって、あなたの銀行はこれから収益をだしていくのか?」
これからは、この質問が銀行に課せられることになります。
求めるのは、「金融機関(銀行)の主体的な創意工夫」
最近、金融庁発表資料や報道記事の文中に、金融機関に対する
「主体的な創意工夫」
という文言が目に付くようになっています。
また、
「現場において各企業の持つ事業の成長性を実質的に評価」
することが求められていることと合わせると
「保証協会が…」
「本部が…」
「規定が…」
という融資担当者の言い訳は、それこそ
実質を考慮せず
創意工夫もしていない
ことで、許されないことになるのでしょう。
※今後は折に触れて、私たちの方から
「御行は、どのように創意工夫されるのですか」
と聞いてみるのもいいかもしれません。
企業としての創意工夫を伝えた上で、ですが。
企業側も努力しましょう、
その上で銀行にも創意工夫を促すことが、今後の銀行交渉の
王道であることは、間違いありません。
執筆:今野 洋之