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事業性評価と言いながら財務をみる比重が大きすぎる

事業性評価という言葉は、だいぶ地域金融機関に浸透したのではないでしょうか。しかし、言葉は知っていますが、それをしっかりと実行できているかは、まだまだ地域金融機関においてバラツキがあると感じています。それは、事業性評価と言いながら、財務をみる比重が大きすぎることです。

業務と財務

私はある中小企業A社の経営改善をご支援することになりました。A社の社長を中心に幹部や社員も巻き込み、全社一丸となって経営改善計画に着手しました。この経営改善計画書はA社の皆さまの思いが詰まった大切な5ヵ年計画書となりました。

 

これは、私がその経営改善計画書をA社の社長と一緒に、意気揚々とメインバンクへ持ち込んだ時の話です。訪問の目的は、融資のお願いです。

 

このメインバンクからは、支店長、融資課長、担当者の3人が出席されました。

 

私が経営改善計画書をお渡しし、根拠ある数字だということを証明すべく、経営改善計画の肝である事業について話し始めて1分経過した時、私の言葉を遮るように、支店長が矢継ぎ早に、次のようなことを話し始めました。

 

こんな赤字では・・・・・、

こんな債務超過では・・・・・、

こんな絵に描いた餅のような計画では・・・・・。

 

そして、A社の皆さまと必死に作成した経営改善計画書にさらっと目を通して、現状が赤字だとわかると詳しい内容も確認せず、ソファの袖にポンと投げ捨てたのです。唖然でした。

 

この後は、A社の事業に関する話は全くしてもらえず、その支店長は自分の個人的な話ばかりされていました。

 

私は、これ以上この金融機関に相談しても無駄だと判断し、すぐに社長を連れてメインバンクをあとにしました。

 

しかし、私はこの一件で、逆に自分自身の闘志に火が付き、A社の社長とともに「絶対に業績を回復させ、あの支店長から必ずや融資を勝ち取ってやろう」と、熱く心に誓い、固い決意をしました。

 

それから3年が経過しました。A社は順調に業績を回復させ、今では拒絶されたあのメインバンクから融資を得ることができています。その当時の支店長は転勤され、別の支店長になられていますが。

 

中小企業経営をみていくとき、事業と財務を切り離して対話してほしいと思います。いくら事業に将来性があると感じても、目の前の財務が悪いとき、事業に目がいかない行員はまだまだ多いように感じます。

 

最終的な判断は総合的にみるでしょうが、その判断の過程ではしっかりと中小企業の事業に耳を傾け、目利きのある寄り添った支援をしてほしいと思います。

この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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