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コミュニケーション不足、という言い訳は上司の責任

2014年5月19日号

コミュニケーション不足、という言い訳は上司の責任


会議でコミュニケーション不足、という言い訳が出てくる
ことがあります。



口にする方にとっては
「私も悪いかもしれないが、相手も悪い」
というニュアンスで使われていることと思いますが、
ピーター・ドラッガーによれば
かならずマネージャー(上司)に責任があり、
上司が自ら言った場合は、例え自覚がなくとも、
その上司自身が悪いことを認めている、とされることを
ご存じでしょうか?

「コミュニケーション」という言葉の意味


もっと話合いをしなければ…
もっと部下と会話をしなければ…
もっと正確な報告をするためには…



コミュニケーションをとろうとした時、
実際に人が思うのはこういったもの。
口頭の相談であれ、書類での提案や報告であれ、
何らかの対話がなければコミュニケーションは成立しません。
ただ、先に一つ認識しておくべきことがあります。それは、



・コミュニケーションの元々の意味は、”共有”である



ということ。



古くはラテン語にさかのぼり、
コミュニス(communis)すなわち共通したもの、

あるいは共有物(common コモン)
と言われています。



現代日本語で一言で表すと、「共有」となります。



しかし、コミュニケーション不足と表現される
裏側で発生していることは



「確かに言ったはずだ」

「いや、聞いていない」

「あの時こう決まっていたでしょう?」

「いや、そうは解釈していない」



という押し問答ばかり。

ほぼ、片側は「伝えたつもり」になっていて、もう片側は



・聞いたが、誤解した

・そもそも聞いていない(と思っている)

・聞いて、賛成ではないが、あえて反対を表明していないだけ。

 賛成ではないので、従っていない



と反論する、と言う構図です。

企業経営においては、より上層部の責任になる


では、コミュニケーション不足が問題になった時、

「伝える側」「聞く側」どちらが悪いのかと言うと、

「伝える側」に問題があると言わざるをえません。



というのも、



1.そもそも、「聞く側」は、言われない限り、

  その対話の必要性にも、存在にも気がつかないから



2.企業において、意思伝達はおおむね上

  (経営者・マネージャー)から

  中間管理層を経て下(担当者)へ流れていくものだから



コミュニケーションは共有することとは言え、

双方同時に発生するというよりは、片方がもう片方に、

共有を持ちかけることから生まれるものです。



企業においては、依頼・要請・指示・命令等の形をとって

上の立場が下の立場へ「持ちかける」側になります。



が、下の立場は基本的に

「言われない限りは、その共有するべき内容を知らない」。



だから、管理者にとっては痛い話になりますが、

コミュニケーション不足というのは

「上の立場=伝える側」に、その責任があるのが本質です。



なのに、とある部長が会議で

「うちの部はコミュニケーション不足で…」

というのを、自分だけが悪いわけではないように言ってしまう。

これを社長が受け入れてしまっているうちは、「不足」が

解決できるはずもないのです。



部長自身が、共有できるところまで伝えていない、

社長自身が、それに気づいていない

ということなのですから。

営業部門ではさらに問題になる


社内だけで完結できない、顧客とのやりとりを行う営業部門では

この問題はより深刻です。

共有情報に、社外の存在である顧客が含まれてくるのですから。



この点が、営業部門が伸びてこないと悩む企業の大半が

抱えている問題です。



どんなに優秀なツールや仕組みを導入しても、

「なぜ」「なに」が共有されていないならば、

機能することもないのです。



コミュニケーションの機能を、考えることが

何より企業の改善には不可欠です。

「2014年5月19日号」執筆:今野洋之

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