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店舗や事業を撤退するかどうかの見極め方

複数の事業や店舗を展開する企業の黒字転化をどう行うか

複数の事業を行う企業や、複数の店舗を展開する小売業などにおいて、赤字企業では、その中の事業や店舗の中に、赤字となって足を引っ張っている事業や店舗があることになります。

 

例えば、小売業の例を上げましょう。単位を百万円とし、各店の売上や利益が、次のようになっている場合を想定します。

 

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    売上高 配賦前利益 共通経費配賦 配賦後利益

 A店  60    6      4      2
 B店  45    2      3     △1
 C店  30   △5      2     △7
 D店  15    1      1      0
 
 合計  150       4          10          △6
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ここで、共通経費とは、各店に所属しない経費、つまりどこの店にも属さない役員や社員の人件費、本部事務所の家賃などを言います。配賦とは、その共通経費を、計算上、各店に割り当てること、配賦前利益と配賦後利益とは、共通経費を各店に割り当てる前と後の利益のことを言います。ここでは、売上高を基準に、共通経費10百万円を各店にそれぞれ配賦しています。

 

この企業の売上は150百万円、利益は△6百万円と赤字企業ですが、赤字を黒字に立て直すために、各店でどれだけ利益を稼げているか、足を引っ張っている店舗はどこかを見るために、上記のように算出してみました。

 

利益が赤字となっている店舗は、撤退を含めて検討します。売上向上策や経費削減策を行うことにより、黒字転化が可能な店舗であれば存続させるし、黒字転化が不可能な店舗であれば撤退を考えます。撤退コストもありますが、継続的に赤字を出し続ける店舗であれば、撤退コストをかけてでも撤退した方がよいことになります。

 

上記例で、配賦後利益を見ると、B店とC店が赤字となっています。一方、配賦前利益を見ると、C店が該当します。

誤りの撤退戦略

ここで多くの経営者が見誤ってしまうことは、C店とともに、B店も赤字だから、撤退を考えてしまう、ということです。

 

まず、C店を撤退することになったら、どういうことになるか、考えてみます。

 

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    売上高 配賦前利益 共通経費配賦 配賦後利益

 A店  60    6      5      1
 B店  45    2       3.75    △1.75
 D店  15    1      1.25    △0.25
 
 合計  120       9          10          △1
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確かに、C店の撤退前の利益△6百万円比べて、撤退後の利益は△1百万円と、改善されました。

 

合わせて、B店も撤退するとどういうことになるか、考えてみます。

 

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    売上高 配賦前利益 共通経費配賦 配賦後利益
 
 A店  60    6      7.5    △1.5
 D店  15    1      2.5    △1.5
 
 合計   75       7           10          △3
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なんと、B店の撤退前の利益△1百万円に比べて、撤退後の利益は△3百万円と、悪化してしまいました。ここから考えると、C店の撤退は正解だが、B店の撤退は不正解、ということになります。

なぜ誤った撤退戦略をとってしまうのか

なぜ、こうなってしまったのでしょうか。ここでもう一度、前提の表を見てみます。

 

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   売上高 配賦前利益 共通経費配賦 配賦後利益

 A店  60    6      4      2
 B店  45    2      3     △1
 C店  30   △5      2     △7
 D店  15    1      1      0
 
 合計  150       4          10          △6
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配賦後の利益で撤退するかどうか考えてみると、C店とともにB店もその対象となります。

 

ただ、配賦前利益で見てください。B店は、黒字となっています。

 

考え方としては、各店舗で稼いだ利益、上記の表で言えば配賦前利益で、共通経費をまかなう、という考え方をとるべきです。

 

その考え方からすれば、B店は利益2百万円を稼いでいるのだから、撤退するべきではない、ということになります。それを、共通経費を配賦した後の利益で考えるから、B店を撤退、というように判断を誤ってしまうのです。

 

共通経費は、赤字店舗を撤退しようとしなかろうと、変化がない経費です。(それで変化がある経費は、各店の経費として計上すべきです)だから、各店舗で稼いだ利益で、共通経費をまかなう、という考え方で各店舗の損益を見なければなりません。

 

ここは、多くの経営者が判断を誤りがちなことですので、気をつけてください。

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