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金融検査マニュアル別冊で債務者区分を引き上げる

金融検査マニュアルでは、金融機関が各融資先に債務者区分を付けた後の、金融庁による金融検査の拠り所として、各債務者区分の定義を記述しているものですが、その記述が抽象的で分かりにくかったり、金融検査マニュアルが機械的・画一的に運用されてしまいがちな中で、中小・零細企業等の特性を踏まえて債務者区分を判断するため、金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)が用意されています。

 

当別冊は、インターネットで検索することができ、すぐに内容を見ることができます。

 

そこには27個の、債務者区分を引き上げるヒントとなる事例が掲載されております。あなたの会社に近い事例がないかを見て、この別冊をもとに金融機関にアピールすることによって、債務者区分を引き上げてもらえるよう金融機関で検討してもらえることがあります。

 

この別冊を読み込み、債務者区分が上がる、金融機関に働きかけていきたいものです。その結果、債務者区分が良くなれば、次のような効果が期待できます。

 

破綻懸念先・要管理先→その他要注意先

 不良債権から正常債権になり、金融機関から不良債権処理をされにくくなる。
 新規融資が全くだめとはならなくなる。

 

その他要注意先→正常先

 新規融資の審査が通りやすくなる、低い金利で融資を受けやすくなる

 

では、その27個の事例を見てみましょう。以下、27個の事例の要点をまとめてみました。あなたの会社が債務者区分を引き上げるために、自社と似ている事例がないか、探してみてください。

事例1

2期連続の赤字、債務超過であるが、代表者の預金が多く、代表者から当社に貸付して返済。リスケジュールや延滞はなし。代表者は賃貸物件等の資産を多く保有し、そこからの収入も多くある。また赤字は解消傾向。

→代表者からの借入金を、当社の自己資本とみなすと資産超過になり、延滞もないことから、その他要注意先ではなく正常先。

事例2

2期連続赤字計上、繰越欠損金あり。赤字の要因は多額の代表者報酬によるもの。現在まで延滞やリスケジュールの発生はない。

→多額の代表者報酬が赤字の原因であり、返済は正常であるからその他要注意先ではなく正常先。

事例3

売上は下降線、毎期赤字。土地が含み損で、実質債務超過。期日一括返済の融資は期日延長を繰り返していたが、ここにきて長期間にわたる約定返済に切り替え、代表者が個人預金から返済。代表者は土地等の不動産や家族預金等を多く保有している。

→代表者は会社が有事の際には私財を提供する覚悟があり、法人・個人一体として考えると債務超過の状態にはなく、また代表者が返済していることから破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例4

大幅な赤字。リスケジュールしたが、代表者の長男から、その後の返済に問題が発生した場合には長男自身が支払う旨の申し出がある。

→当社の返済能力に問題はあるものの、長男から支援意思の確認ができ、その資力も問題はなく、最終的な返済の懸念はないとして破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例5

当社は製造業。毎期赤字が続き債務超過。リスケジュールが実施されている。
 

→当社には技術力があり、そこから今後も受注がある程度見込まれることから破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例6

経常赤字が続き、債務超過状況。技術力は高く評価されている。金融機関ではその技術力を評価し、また金融機関はその業界について十分な情報・分析能力があり、継続的に当社を支援する方針である。

→金融機関は当社の技術力について十分把握しており、収益改善も十分見込まれ、破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例7

3期連続赤字、債務超過。リスケジュール中。当社は従来の販売ルートに向けて拡販を図るべく準備をしている。

→今後の収益改善を期待して破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例8

大幅な債務超過。3期連続の赤字。金融機関は、当社の商品が好評、販売実績が高く、問合せも多いことから、当社の事業再生は可能であると判断し支援していく方針を固めた。徐々に売上は増加し、今期には黒字の計上も見込まれる。

→当社は技術力には定評があり、低コストでの拡販により業況改善が見込まれること、金融機関は支援方針であることから、破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例9

代表者の健康状態が思わしくなく、ピーク時に比べ大幅な減収・減益。返済は半年前より1~2ヶ月分滞りがち。しかし代表者の業務復帰にかける意欲は強く、健康状態も回復に向かっている。

→代表者の業務復帰にかける意欲、長男も当社に5年間従事、後継の意思がある、返済は遅れながらも続いていることから、破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例10

旅館業で多額な減価償却負担や金利負担から赤字が続き債務超過。返済は正常に行われている。代表者は収益の改善に努めたいとしている。

→正常に返済していることや代表者の経営改善に向けた意欲から、その他要注意先ではなく正常先。

事例11

連続赤字、債務超過、リスケジュール中。代表者は黒字化を折り込んだ収支計画を策定、提出。計画では3年後に約定返済開始予定。計画開始から1年が経過しようとしているが、業績は計画比8割以上の実績で推移し、赤字幅は縮小傾向。

 

→計画比8割以上の実績で推移していることを踏まえ、破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例12

3期連続で赤字、実質債務超過。リスケジュール中。代表者から事業計画の提出あり。今期の決算見込では、赤字幅は縮小する見通し。

→赤字幅は縮小する見通し、金融機関は今後とも引き続き支援方針であることから、破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例13

連続して赤字、債務超過。リスケジュール中。代表者は黒字化を折り込んだ収支計画を策定、提出。当社は、今期に入っても積極的な営業展開を進め、来年度から約定返済も再開したいとしている。

→前期から経営改善は進み、今後の経営改善も見込まれ、約定返済も再開する見込みであることから破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例14

連続して赤字、債務超過。リスケジュール中。代表者は5年後の黒字化、債務超過解消を折り込んだ収支計画を策定、提出。その結果、1年目、2年目の実績は計画比9割程度達成したが、3年目は外部要因により3割程度しか達成できず。

→今季は計画比3割程度の達成であったが、今後は従来通りの営業。経営も安定的に推移し、計画比8割以上を達成する可能性が高いことから、破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例15

株式投資の失敗による借入負担もあり毎期わずかな黒字。株式等の含み損を加味すると実質債務超過額は多額。リスケジュール中。

→金利は支払っている、投資株式は全て担保として徴求、株価が好転した銘柄から徐々に処分して回収、金融機関は長年の取引先でありメイン行であり今後も引き続き支援方針であることから、破綻懸念先ではなくその他要注意先。

事例16

経常損失。融資は全て手形貸付で書替を繰り返している。手形貸付の半分は、本社屋の建設資金であるが、業況悪化により約定返済に切り替えられず、書替を余儀なくされている。資産超過。

→延滞となっていないことや今期は例年並みの黒字が確保できることからその他要注意先ではなく正常先。

事例17

直近2年間は、当初の約定返済額を約70%減額、かつ最終期日に元本しわ寄せ(当初借入額の約50%相当)とするリスケジュールを実施している。

→リスケジュールしたとはいえ、延滞なく返済されていること、赤字が発生していないことから、その他要注意先ではなく正常先。

事例18

3期前から赤字計上。5年前の在庫資金名目の運転資金は、書替を繰り返している。在庫について価値が毀損している事実はなく、当社は在庫処分を実施することにより返済に充てたいとしている。

 

→売上の減少に伴う返済能力の低下は明らかであり、今後、短期間での業況改善が見込めないことからその他要注意先としている。なお在庫資金名目の運転資金について、在庫処分により回収するもので、在庫処分による返済実績もあることから返済財源としては確実であり、貸出条件緩和債権には該当せず要管理先としない。

事例19

3期連続赤字、債務超過。5年前の土地取得資金の融資は3年前から約定返済が行われる予定であったが、上物の建設計画の頓挫や本業の不振によるキャッシュフロー不足、土地の大幅な値下がりから現状は短期運転資金として書替を繰り返している。当社は今後、当該土地を賃貸や売却などにより何らかの活用を図りたいとしているが、具体的な事業計画は策定されていない。

 

→債務超過に陥ったことや先行きの業況回復も当面見込めないことからその他要注意先とするが、当融資は基準金利(同等な信用リスクを有している債務者に対して通常適用される新規貸出実行金利)を上回っており、貸出条件緩和債権には該当せず要管理先にはせず。

事例20

前期赤字。実質債務超過。アパート資金の融資は資金繰り悪化のため返済額を大幅に軽減し、最終返済期限を7年延長した。

→業況低迷、実質債務超過や今後短期間での業況改善が見込めないことからその他要注意先。アパート資金の融資については最終返済期限の延長がアパートの法定耐用年数内に収まっていることから貸出条件緩和債権には該当せず要管理先にはしない。

事例21

返済金額を軽減し最終返済期限を当初約定よりさらに10年延長。全額信用保証協会保証付融資。

→今後短期間で条件変更前の状況に回復する見込もないと判断されることからその他要注意先。しかし全額信用保証協会保証付融資であることから貸出条件緩和債権に該当せず要管理先としない。

事例22

3期前から赤字転落、債務超過。代表者は黒字化を折り込んだ収支計画を策定し、返済額を約60%軽減しかつ最終期日に元本しわ寄せ(当初借入の約50%)とするリスケジュールを行った。

→今後、短期間でリスケジュール前の状況に回復する見込みはないものの、黒字化を折り込んだ収支計画等を勘案し要注意先。融資は担保不動産で6割保全され、残りの4割についても代表者は会社が有事の際に私財を提供する意思が確認できていることから、個人資産等も勘案すれば信用リスクは極めて低く算定されることから、貸出条件緩和債権に該当せず要管理先とせず。

事例23

大幅な経常赤字。3年前から、返済金額を軽減し最終返済期限を当初約定より7年程度延長するリスケジュールを行う。当年度、当社は赤字体質から脱却できる状況。しかし債務超過の解消には今後10年程度有する。担保により融資の半分程度は保全されている。

→赤字体質は脱却したものの、リスケジュール前の状況に回復していないこと、大幅な債務超過の解消には長期間有することからその他要注意先。しかし、当社の状況は3年前の信用格付から上位(その他要注意先の中での)に遷移し、担保保全状況等を加味した金利が基準金利に比べて高いから、貸出条件緩和債権には該当せず要管理先とせず。

事例24

実質債務超過。中小企業再生支援協議会の支援のもと、外部専門家も活用の上、計画実施に必要なすべての関係者の同意を得て、再生ファンドを活用した債務の株式化による債務圧縮や新たな資本注入、リスケジュールなど財務面での改善による再建計画を策定し、計画の実施により5年程度で正常先となる見込み。

→リスケジュールしているものの、中小企業再生支援協議会の支援のもと作成された再建計画が開始。当計画に基づく融資は貸出条件緩和債権には該当せず、要管理先ではなくその他要注意先。

事例25

 削除

事例26

3期連続して大幅赤字、今期は特別損失計上により債務超過。金融機関は当社の経営支援を図る目的からリスケジュールを行い、貸出条件緩和債権としていた。今般、金融機関は当社の経営再建を図るため、当社と協力して経営改善計画を策定。この計画にあたって、金融機関の当社に対する融資の一部(債務超過見込部分)を資本的劣後ローンに転換。

→資本的劣後ローンを資本とみなし、経営改善計画を勘案し、その他要注意先。計画の策定から、融資は貸出条件緩和債権に該当せず要管理先とせず。

事例27

当社の業況は順調。地域の他社と共同出資で販売施設建設。当社は多くを出資したが、施設は台風による打撃により再建を断念。その結果当社は出資の減損処理を行い、赤字計上、債務超過。なお施設と当社の返済は正常。

→赤字、債務超過であるが、その原因は一時的かつ外部的な出資金の減損処理によるものであり、当社自体の業況は変わりなく順調であることからその回復は十分見込めるとしており、正常先。

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