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会社の残業は、社長がつくっている?

2017年2月22日号 「銀行とのつきあい方」

 

これからの銀行による中小企業評価には
「生産性」に大きくスポットが当たります。
生産性と言えば…、例えば

 

・社員一人あたりの売上・利益
・単位時間あたりの生産数
・売上に対する利益率

 

等々、財務指標上でも様々な表現は可能ではありますが
単に「銀行から見た中小企業の評価」に留まらず
国家政策として生産性を向上させよう、という動きが
強まっていることは、皆様目に触れてらっしゃるのでは
ないでしょうか?

 

最もたるものは、「残業の禁止、削減」。
2014年以降、断続的にニュースにもなるこの話題は、
労働基準法の36協定の運用見直しなどによって
残業、時間外労働を削減しようという取組みです。

 

残業の悪癖

 

それぞれの仕事の性質によるとはいえ、会社が
なんでもかんでも単純に、時間に対して人件費を支払うだけならば

 

「ゆっくり仕事して、残業した方が手取りは増える」

 

と多くの人が考えてしまうもの。
時間外(残業)労働の手当は、社員にとって
見込まれる給与の一部になってしまっていることが
ゆっくり仕事をした方がいい
⇒生産性が、上がるはずがない

 

という状況を生んでいるのが実態です。

 

一方、残業を止めさせたいと経営者が思っても
なかなか難しい。どうしても必要と言われてしまえば
否定するのは簡単なことではありません。

 

確かに、これは国家政策として取り扱うことが必要です。
社員からみれば、ただ残業止めろと言われれば
「給料減らしたいだけでは?」
と思われてしまいますから。

 

私としては、ただでさえ労働者人口が減っていく日本で
生産性の悪化は何も得るものがないため
職種や仕事の内容によっては残業代を撤廃して
あくまでこなした仕事の量や、付加価値に対して
給与が支払われることが理想と考えます。

 

政策がまとまるのを今しばらく待たなくてはなりませんが
「こなした仕事の量」や「付加価値」を算定するのは
勤務時間を計るよりもはるかに高度な経営管理が必要なため
企業側、経営者側にも求められるものが増えることになりますが
時流としては避けられないものでしょう。

 

が、今からできることはなんでしょう?

 

社長は残業しても同じこと?

 

社長には残業は関係ありません。時間外という概念や規定がなく
定められた役員報酬を受け取っています。

 

また、どんな時でも動かなくてはいけない立場です。

 

大半の社長は、少なくとも精神的には
365日、24時間勤務です。
会社の最終責任を全て負っていることを思えば、
当たり前なことなのですが…

 

それを、全社員にも知らず知らずのうちに求めてしまっている
ものです。
結果、社長自ら、人の生産性の向上を考えていない状況を
つくってしまっているわけですね。

 

私のお客さんでは、今の限定された法制度のなかで
比較的縛りのない賞与で、穴埋めを行う会社が増えています。

 

残業せずとも立派に役目を果たしている社員には
賞与で評価する。このためには

 

・不満を生まないように、評価を見えるように
・賞与のための資金をどのように用意するのか
(このために、年間人件費を減らさない範囲で通常の給与を減らしたりもします)

 

ことが必要です。
資金が安定しても、企業の最後の問題は常に「人」。
社員の努力を必ず評価し、足りない部分はフォローを入れる。
「ちゃんと見ているよ」
それが、これから求められる社長の姿なのでしょう。

 

執筆:今野 洋之

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