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銀行返済が厳しい時はリスケではなく「融資の組み換え」から考える

最近、弊社への電話相談が急増しています。内容は、資金繰りに関する相談が多いです(中でも融資の返済ができない…)。

 

あなたも資金繰りのお悩みを持っていませんか?今日は融資の返済に不安がある方に選択肢の一つとして情報提供をさせていただきます。返済が厳しいから条件変更しかないという概念を少し横に置いてみましょう。ズバリ!『融資の組み換え』についてお話しさせて頂きます。

 

先日、ある経営者の方からの電話相談が入りました。相談内容を確認すると次のように言われました。「コロナ融資の返済がスタートして返済額の負担が大きく資金繰りが厳しい」と一言。

 

業績は改善傾向にあるのですか?と質問をすると、「前期の決算は赤字であったが、少しづつではあるが収益も改善傾向にある。だけどその利益で返済金が捻出できているとは言えない」と回答。

 

「返済をとめるしかないかな?」という相談内容でした。

 

更に詳細を確認し私は下記の様に回答しました。「コロナの影響を受け業績は低迷(赤字)しているが、現在は少しづつではあるが業績は徐々に回復。今後更に改善できるということですね?」それであるならば、一度融資の組み換えができないか検討してみませんか?

 

融資の組み換え?リスケして返済をとめるのではないの?どういうこと?

 

御社の業績は改善傾向にあり、今後も返済原資の捻出が可能であるということですので、まず、資金運用表を活用し短期借入金・長期借入金の必要額を算出し、経常運転資金に短期継続融資を充てる、残りの部分を長期借入金、劣後ローン等に融資の組み換えができないか検討する。

 

どうすればいいのか?を順番に説明させていただきます。

銀行返済が厳しい時はリスケジュール(条件変更)ではなく「融資の組み換え」から考える

 

短期継続融資について

短期継続融資とは、期日一括返済の短期融資の事になります。

 

期日一括返済という条件ですが、正常な運転資金は、事業を継続する限り常時必要な資金となりますので、返済してもすぐに借入をしなければいけないので、実務上は期日到来時に返済期限を延長する実質的に返済をしない借入になります。

 

この短期継続融資は、十数年前まではよく見られた融資形態でしたが短期継続融資を避け、毎月返済が必要な長期の融資で運転資金を融通することが主流となり、運転資金を長期の借入で調達する事で約定返済がついている事で資金繰りが安定しなくなった要因であると私は思います。

 

だからこそ経常運転資金の部分は短期継続融資に組み換えを行うのです。

劣後ローン等について

資本性劣後ローンとは劣後ローンとは、他の特定の債権または一般の債権より支払い順位が劣るローンの事です。今回の新型コロナウイルス感染症によりでたものが『新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)』になります。

 

新型コロナウイルス感染症により深刻な影響を受けている経済環境下にあって、関係機関の支援を受けて事業の発展・継続を図る中小企業者に対し、財務体質強化を図るための資本性資金を供給する制度です。

※金融検査上、自己資本と見なす事ができ期限一括償還

信用保証協会付DDSについて

コロナの影響の長期化や物価高等の影響を受け特に債務超過に苦しむ中小企業者においては、状況の打開のためにキャッシュフロー改善に対する設備投資等を実施したくても、今の財務状態では資金調達は難しいのが現状かと思います。

 

そのため、債務超過の要因になっている既存の保証付融資の一部を資本的劣後債権への転換(信用保証付債権DDS)を行うことで、実質債務超過額の圧縮・解消更には信用力アップを図る事が可能になります。

※期間は5年超とし原則期限一括返済。

置期間を最大限に有効活用

新型コロナ借換

一定の要件を満たした中小企業者が、金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に、借入時における信用保証料の事業者負担を大幅に引き下げる。

※最大5年間の据置が可能

新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)

新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に業況悪化を来しているみなさまを対象とした商品。

※最大5年間の据置が可能 運転資金・設備資金共に20年以内

伴走支援

コロナ融資(ゼロゼロ融資等)の借換え需要や新たな資金需要に対応できる商品

※当初保証料補助により実質負担0.2%で、最長10年(据置5年)の借入が可能。

 

になります。それ以外にも多数存在すると思います。 

3つを検証する

まずは、

①自社の借入が適正に行われているかの検証

 

・短期借入:経常運転資金

・長期借入:設備資金

 

次に

②長期運転資金に紛れ込んでいる長期運転資金の検証

 

最後に

③返さないもの、適正な額で毎月返済を履行するもの、返済を最後(劣後)で履行するもの、に融資の組み換えを検討

 

返済が厳しいと銀行に相談するときっと、「条件変更をしますか?」という回答でしょう。銀行員も忙しく1社1社の組み換えを検討してくれるほど親身な銀行員は少ないです。

 

条件変更とは、現在返済中の借入の返済方法を、状況に合わせて、一時的に緩やかな返済方法へと変更することです。但し条件変更は新たな資金調達が難しくなります。

 

一時的に返済を猶予する事で手元の資金繰りに余裕が出るのは同じです。しかし条件変更を行えば、今後資金調達はかなり厳しくなります。だからこそ融資の組み換えができるかどうか検討し銀行にお願いします。組み換えの為に利用するコロナ関連の融資は徐々になくなっていきます。いつまでもゆっくり考える時間はありません。

 

返済や資金繰りに対し不安がある方はまず、下記バナーの「無料相談」をご利用下さい。財務コンサルタントが親身になって対応致します。一緒に策を考えましょう!

この記事の著者

  • 山中 肇

    経歴:愛知県第二地方銀行 管理職
    主な実績:
    ・金融機関調整
    CF以上の返済を履行していた先に対し、金融機関の見直しを行い、CF以内の返済額への減額対応し実現。
    ・資金調達
    適正な金額・期間・調達方法のアドバイスを行い資金調達を実施。
    ・リスケ対応
    改善計画書を作成し金融機関に一緒に訪問しリスケ交渉の支援を実施し毎月の返済額の見直しを行い、予実管理まで実施。
    ・サービサー対応
    サービサーとの交渉に同席し、円滑な交渉をサポート。
    ・金融機関対応以外に租税関係の交渉同席、取引先への支払延期交渉同席等、些細な事から大きな事まで対応しております。

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