無借金経営のメリット・デメリットと実質無借金経営について
今回は、無借金経営のメリット・デメリットと実質無借金経営についてお話をします。東京商工リサーチの2023年全国「無借金企業」調査によると、2022年の財務データ30万6,560社のうち、無借金企業は6万6,370社(無借金率21.6%)でした。
産業別に見ると、サービス業他(47.1%)、金融・保険業(40.2%)、情報通信業(28.4%)が高く、最低は設備投資が必要な製造業(12.0%)、次いで小売業(12.8%)となっています。
無借金率は約2割強ですが、自社と比較する場合は同業他社や売上規模別等比較をする必要があります。
無借金経営とは金融機関から融資を受けていない状態のことです。借入せず資金繰りが廻っている企業なので、多くの経営者が目標としている会社の経営です。しかし、無借金経営にも下記メリットとデメリットがあります。
無借金経営のメリット
- 借入金の元金返済や支払利息がない
- 資金繰り管理が容易である
- 金融機関の動向に影響されない
- 借入金が無いので自己資本比率が高くなり決算書内容が良くなる
無借金経営のデメリット
- ある程度の資金が無いと事業規模拡大を逃す可能性がある
- 急な資金需要が生じた場合、資金繰りが悪化する恐れがある
- 金融機関との良好な関係性を築きにくい
- 業績が悪化した場合、借入するのに時間がかかる
面談相談を受けている中で、無借金経営を目指している経営者もいますが、上記メリットとデメリットを考慮した上で、自社の経営方針に沿って判断することが重要です。
いつでも借入金を返済できる手元現預金を持ちながら借入をする「実質無借金経営」が良いと思います。実質的に無借金経営の状態のことです。
十分な手元現預金を確保していれば、会社を成長・存続する為にビジネスチャンスを掴むことが出来ることや、急な資金需要にも柔軟に対応することが可能です。また、借入金の返済実績を作ることで反復運転資金の融資枠の確保にも役立ちます。
来期の事業計画作成時に、自社の決算数字を把握して、あと何年で実質無借金経営が出来るか実現可能性を検討してみて下さい。将来の会社方向性や事業機会の創出、健全な経営に繋がるので目指していきましょう。
信用保証協会や日本政策金融公庫からの借入でなくプロパー資金での借入を希望している、取引銀行を増やしたい・又は新規に取引できる銀行を探している、赤字や債務超過でも融資が受けられる可能性を検討してみたい、既存銀行からこれ以上の借入が出来ない、資金繰りが厳しい等の悩んでいる企業は、お気軽にエクステンドの無料相談を活用して資金繰りに困らない経営を実行してください。