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メインバンクは要らない

前回、メインバンク制や、メインバンクに依存する企業が危険であることに触れましたが、今回はもう少し補記しておこうと思います。

メインバンクは、誰のためにある?

メインバンクは、少なくとも圧倒的な(一行で50%を超えるような)シェアをもって集中取引を行う銀行というのは、これからは中小企業であっても持つべきではありません。一般的な経営においても全く同じことですが、ごく少数の取引をしていることは、取引相手にとってどうでしょうか?

 

「うちとの取引がないと、経営できないでしょう?」

 

と思われてしまうのが当たり前。それ自体が大きなリスクです。どうして、銀行取引だけは、そうではないと言い切れるのでしょう?

 

それは…、銀行自身の(担当者の)収益管理のためです。

 

銀行の予算や目標は、「今既に存在している融資は、完済までその金利が予算に組み入れられる」「経常的に取扱いしている為替(振込)などの取引は、そのままの取引が続く」ことを前提に、そこから「○○%」の上乗せをする、という設定がなされます。

 

大事なことは、「今存在している取引は、そのままであることが前提」ということです。つまり既存取引は「あって当然のもの」なのです。

 

さらに、メインバンクだった場合は…うちの銀行が取引しないと経営が行き詰まるのだから、うちに失礼なことはしないだろう、と思われます。なおさら計算に入れられる、ということですね。

 

そこで、銀行の収益をもっと出そうとすれば

 

・金利を上げても

・要らない金融商品を買ってもらっても

・減免できる手数料を規定の金額でもらっても

 

ここは銀行の言うことを聞かざるを得ないから、受けてもらえる、と狙い撃ちされるようになります。メインバンクというのは、企業のためにはなっていません。銀行が都合よく儲かる相手に、メインバンクという言葉を使っていることが大半です。

メインバンクは、やっぱり要らない

よく相談をいただきますが、

 

「取引銀行を増やそうとしたけれど、既存取引銀行に止めてくれ、と言われて、自社が困った時に助けてほしいから中断した」

 

と仰る経営者が非常に多いものです。しかしそれが、銀行が助けてくれるかも、ということではなく予算に織り込んだ収益に穴をあけたくないから、ということを経営者は知らなくてはなりません。

 

複数の取引銀行があったらどうでしょう?

 

「御行でやってくれないのなら、他にお願いする」

 

と申し出すればよいのです。なにしろ、既に予算に織り込まれているのです。「他に取られるかも」という状況がある方がいいのは明らかです。特定の銀行に依存することは、通常の商取引だけではなく銀行取引においても危険なのです。

 

執筆:今野 洋之

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