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カフェレストラン運営 民事再生法の適用申請

2016年11月7日号 「銀行とのつきあい方」

 

10月19日配信分の本メルマガで、ある企業の倒産経緯から
企業の状況に対する銀行の対応と、今後の新制度に照らすと
その対応がどのように変わることになるのか触れましたが
今回は続編として、別の企業で同様の考察を加えていこうと思います。

 

下記リンクによると(帝国データバンクの倒産速報)
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4212.html

 

※前回同様、掲載されている企業そのものに触れるわけでは
 ございませんので、本文中では社名などは記載しません

 

  • 2004年に設立、売上は全般的に拡大基調で、昨年の決算時では売上は13億円にまで達していた(前年、前々年と比べても増収だったようです)
  • だが、資金繰りは「数年前から」悪化。主な要因は大型店舗の新規出店が見込み通りの集客を得られずに撤退を余儀なくされたこと
  • 最終的な負債は15億円と、直前の売上よりも大きい
  • 幸いにもスポンサーがついて、民事再生による再生を図る見込

 

ポイントをまとめると、このようなところでしょうか。

 

表面上は、「黒字倒産」。でも、それだけではない

 

銀行対応としては、

 

・設立後、売上が順調に推移したことから、新規出店の融資を
 積極的に行った。負債額からいって、おそらくは新規出店資金には
 不動産の取得や保証金、内装設備費用なども含まれていた可能性
 が認められるが、銀行としてもかなり思い切って
 融資に踏み切ったように思われる

 

・だが、元々利益はどうも僅少、わずかだった模様。
 決算操作がないという前提で考えると単純に貸すには返済するだけの
 キャッシュフローがないため、固定資産に対してはかなりの
 担保設定をして保全を確保、リスクヘッヂを行ったのでは

 

※このポイントは、かなり仮説要素が高いですが、本当かどうか
 よりも「典型的なパターンとして」とお考え下さい

 

・最終的に民事再生となったが、スポンサーがついて営業は続行、
 肥大した融資は今後赤字店舗の撤退、(賃貸でなく自社物件の)
 店舗不動産があれば売却して、保証金の戻りや売却金で
 ある程度返済、残りは今後の事業収益からの返済

 

銀行としては、相応に頑張ってリスクをとって融資をしたが、
残念ながら企業の倒産となってしまった、
だが事業は続行され、回収もある程度見込まれる

 

という解釈で、かつての金融庁なら了承したことでしょう。

 

そもそも、貸した内容は正しかったのだろうか

 

企業が成長期であれば、新規の融資を積極的に行ってほしい
わけですから、新規出店の融資を出すことはありがたいのです。

 

しかし、新規店舗が失敗したら即座に企業が倒れてしまうような
融資は、融資ではなく投資です。
そもそもやっていいものだったのでしょうか?

 

この企業の融資銀行は、メガバンクをはじめ、他政府系や地元の
地域金融機関など、それなりに多いようですが、

 

「自らの融資額を伸ばすため、自分のいいところを見せるために
 他行対比で後に引けず、むやみに融資を行った」
「その代償として融資返済条件が短すぎ、返済負担がとても大きい」

 

可能性が、非常に高いと考えられます。
特に、「数年前から資金繰りは悪化していた」
という点がひっかかります。

 

売上が増加している、でも利益はわずか。状況を打破するために、
新規出店⇒借入増加⇒返済金額増加⇒資金ショート

 

こんな流れだったのではないでしょうか?

 

もし、融資に踏み切るなら、残念ながら失敗した時に備え

 

  • 赤字店舗の退店資金まで面倒を見る
  • フリーキャッシュフロー(営業と投資のキャッシュフローの合計)範囲内での返済にするべく、借入の超長期化
  • 担保などで保全のある借入の返済を棚上げ(DDSや短期一括返済手貸の継続など)

 

まで想定して行うべきもので、
昨年が売上のピークで、かつ赤字ではない企業に対して
何も考えずに「その場でできそうな」融資を単純に実行し
その後の返済負担をどこまで考慮していたか、
ただ隣の銀行を見ながら融資をして
いざとなったら何も助けない
そんな一方的な経緯が見えるのです。

 

結果、せっかくの成長力ある企業が、民事再生に
追い込まれてしまった。

 

「もっと企業を見て、企業に見合う支援(融資)をせよ」

 

という金融庁指針からは大きく離れるものです。
こんなことになってしまう企業が少なくなるように
企業側としてももっと自衛をしなくてはなりません。
そのためには、漫然と銀行に頼るのではなく、正しい資金計画を元に
銀行をこちらから動かしていくことが一番です。

 

執筆:今野 洋之

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