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運転資金の種類と借入の時期等について

運転資金の種類について

銀行に融資を申し込む時には、「資金目的」が必要となります。大きく分けると【設備資金】か【運転資金】です。今回は、【運転資金】について述べます。

 

銀行からみた【運転資金】の分類を参考にしていただいて、資金繰りの悩みから少しでも解放されて、今後の銀行との関係を良化するようにしましょう。銀行が融資するときの【運転資金】は1種類ではありません、お金に色はありませんが、銀行が融資するお金には青・黄・赤の3色あります。

 

・貸したい(青色)融資

・積極的に貸すことはないが貸してもよい(黄色)融資

・貸したくない(赤色)融資

 

に分類されます。では、ここで質問ですが、銀行での【運転資金】の「資金目的」には、どんなものがあるのでしょうか?

 

≪答え≫
 
 1番:経常運転資金 (売上を現状維持する場合に恒常的に必要な仕入・
            経費等の支払資金)

 2番:増加運転資金 (売上が増加する場合や決済条件に変化が生じた場合
            に必要となる資金)

 3番:賞与資金   (夏期・冬期のボーナス資金)

 4番:決算資金   (決算時に必要な納税、株式配当、役員賞与、等)

 5番:季節資金   (季節によって商品仕入等が増加するときに必要と
            なる資金)

 6番:その他運転資金(手形決済資金、買掛金決済資金、赤字による経費
            支払資金、等)

 1番・2番は    (青色)貸したい融資
 3番・4番・5番は (黄色)積極的に貸すことはないが貸してもよい融資
 6番は       (赤色)貸したくない融資

信号の色と同じく3色に色分けすると、借りれる・借りれないがイメージしやすくなりますね。そして、ここからが重要なのですが、銀行からみると、貸したい融資にも上限金額があります。その上限を判定する基準が、『正常な運転資金』という呼び名の【運転資金】です。

 

聴きなれない言葉だと思いますが、銀行内部では『正常な運転資金』と「正常でない運転資金」にほとんどが色分けされています。「正常でない運転資金」だと判定されたら借入はできません。借入を実現するためには、『正常な運転資金』として判定されなければならないのです。

 

※その計算式は
売上債権(売掛金+受取手形(割引・裏書譲渡手形は除く))
+在庫(不良在庫を除く)
-仕入債務(買掛金+支払手形(設備支払手形を除く))

 

以上の金額が、1番:経常運転資金であり、すべての金融機関を合計して借入が可能となる計算上の上限金額となります。また2番:増加運転資金は、売上債権の増加額+在庫の増加額-仕入債務の増加額が、計算上の上限金額となります。

 

1番・2番の場合は、企業が存続する限り必要な資金となりますから、できるだけ自己資本でまかなうのが理想ですが、ほとんどの企業の場合は借入金でまかなっていることでしょう。ですから、長期借入資金というよりも、むしろ永久に必要な資金ということになり、〔借りっぱなし〕になってもおかしくありません。

 

ならば、借入をするときに、元金返済をゼロにできたほうが資金繰りの不安・心配は、大幅に減少することになります。当座貸越・手形貸付(極度)での借入を実現するようにしましょう。いずれの借入方法でも、毎月の金利支払いと一部印紙代でOKです。

 

3番~5番については、『正常な運転資金』としての基準は適用されませんが、目的・金額・返済方法が決まっていますので、資金の目的の証拠があれば、1番・2番の運転資金がいっぱいの場合でも、融資は可能となる場合があります。

 

ただし、3番~5番の資金については原則6ヶ月以内に返済するルール(場合によっては9ヶ月~12ヶ月)がありますので、手形貸付(都度)扱いが一般的です。ちなみに6番については、ほぼ借入ができないと考えてください、借入可能となるのは、保証協会付の別枠融資や緊急保証の場合です。

運転資金の借入時期等について

1)資金繰り予想表を作成し、資金の必要な月の3ヶ月前に申込む。

銀行には、融資したい時期と融資をしたくない時期があります。1ヵ月前に申込んでも銀行の貸したくない時期に当たると、計画通りに借入できないケースが多数発生します。また、余裕をもって申し込んでおくことによって、次年度から銀行から営業に来る確率が高くなります。ですから、資金繰り予想を立てるということは、事業継続には必要不可欠なのです。

2)1行ではなく、数行同時に申込みを行う。

1つの銀行で申し込んで、断られてから次の銀行に申し込むと、余分な時間がかかります。タイム・イズ・マネーですから、数行同時に申し込んでください。万が一全部の銀行から借りてくれという回答が来たら、ありがたい悩みとして、楽しみながら借入する銀行を選択してください。

3)3番~5番について

3番~5番については、支払う時期がほぼ確定していますから、必ず、決算期の3か月前、賞与支給月の3ヶ月前に申込みを行いましょう。

既にリスケジュールをしているので新たに借入できない場合

中途半端なリスケジュール、つまり元金返済が一部しか減額されていなかったりしていませんか?『正常な運転資金』であれば、事業継続には不可欠な資金です。不可欠ならばこそ、〔借りっぱなし〕が絶対に必要ですね。『正常な運転資金』の部分は元金ゼロにしてもらうようしっかり交渉しましょう。

 

リスケジュール期間は、手間がかかりますが3~6ヶ月と短目にしてみて、できるだけ銀行と交渉する時間を増やすようにしましょう。コミュニケーションの頻度が、あなたの会社を救う機会になります。また、資金繰り安定のための金利引下げも積極的に交渉しましょう。資金繰りが良化すること、間違いなしです。

 

では、『正常な運転資金』でない運転資金の場合はどうでしょうか?

 

正常でない資金を借りてしまった、しかし返済するお金がない。そして、事業継続のためには、〈ゆっくり〉と返済しないと事業継続に大きな影響が出ます。〈ゆっくり〉とは概ね20年ないし25年で返済するイメージです・・・そんな長期間の返済では納得できないと銀行からは言われます。

 

ここは、最長3年間の元金据え置きを依頼してみましょう。

 

その間に、事業を立て直し、適正な利益を出し、返済開始を実現しましょう。3年間の時間があれば【必ず事業を再生します】と、銀行で言えるくらいの決意を持ってください。

 

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