建設業が経営改善するには?公共工事依存からの脱却と再生の進め方を解説
建設業・建設会社の経営改善は、他業種とは異なる難しさを抱えています。公共工事への依存、工事ごとの採算がつかみにくい原価構造、そして入札制度や原材料高騰といった外部環境の変化、これらが重なって、「売上はあるのに利益が残らない」「資金繰りが苦しい」という状態に陥りがちです。
本記事では、建設業が経営を立て直すために押さえるべき3つの軸、公共工事依存からの脱却、工事ごとの原価管理、粗見積りによる赤字受注の回避を、事業再生コンサルティングの視点で具体的に解説します。
この記事のまとめ
- 建設業の経営改善は「①公共工事依存からの脱却 ②工事ごとの原価管理 ③粗見積りによる赤字受注の回避」の3点が軸になります。
- 公共工事依存は『待ちのビジネス』で、入札制度の変更や政治的要因など外部環境に経営が振り回されます。安定には民間への展開が要ります。
- ただし公共と民間は同じ建築でも全く別の事業。ヒト・モノ・カネを民間に投じる前に、自社の強み・弱みと「誰に・何を・どう売るか」を設計します。
- 工事ごとに損益を把握できなければ、利益は残りません。原価管理と粗見積りで、受注前に利益を読める体制をつくります。
建設業の経営が不安定になりやすい理由
多くの建設会社が経営難に陥る背景には、売上の多くを公共工事(入札案件)に頼る構造があります。
なぜ公共工事に依存すると経営が不安定になるのですか?
公共事業を入札制度によって受注し売上の多くを確保している会社は、自らの営業活動によって受注をつくることが極めて困難です。これはいわば「待ちのビジネスモデル」であり、経済環境の悪化で公共事業が減れば売上が落ち、入札制度が変われば以前ほど落札できなくなるというように、政治的要因をはじめとする外部環境に経営が振り回され続けます。
さらに、原材料費の高騰で原価が上がれば利益率も下がります。安定した収益構造と長期的な成長戦略を描くには、公共工事依存から抜け出すことが避けて通れません。
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公共工事依存から民間への転換のポイント
ここで注意したいのは、公共事業をターゲットにしてきた会社が、ヒト・モノ・カネを別の事業に投資しても、すぐには結果を出せないことです。同じ「建築業界」というくくりでも、公共向けと民間向けでは戦略が全く違う別事業だからです。
同業他社と競争し、住宅や大規模修繕・リフォームといった高額商品の契約をいただくために、第一に検討すべきポイントは次の2つです。
公共工事依存から脱却するには、何から考えればよいですか?
- 自社の『強み・弱み』は何かを考え、強みをどう生かせるかを設計する
- 誰(どんなターゲット層)に、何(どんな住宅・リフォーム商品)を、どのように販売するのかを決める
「攻めの経営」へ転換するには、待っていて受注できる公共工事とは正反対の、自ら需要をつくり出す発想が要ります。既存の人材・設備・取引先との関係という自社資産を、民間市場でどう活かせるかが出発点です。
工事ごとの「原価管理」で利益を見える化する
売上を民間に広げても、工事ごとの採算が見えていなければ利益は残りません。建設業の経営改善で公共工事依存の次に重要なのが、工事別の原価管理です。
建設業なのに利益が残らないのはなぜですか?
多くの場合、原因は「どんぶり勘定」工事ごとの損益が把握できていないことにあります。適切な原価計算ができていないために、知らないうちに赤字工事を受注してしまうのです。そこで、会計ソフトなどを用いて工事ごとに損益を把握できる原価管理体制を確立します。
これにより、見積りの段階で無駄な工事原価を削ることができ、結果として他社に対する価格面の優位性も期待できます。「売上を伸ばす」だけでなく、工事ごとに利益を管理することが、建設業再生の土台になります。
工事別の原価管理体制づくりは、会計と現場の両方の理解が要ります。建設業の再建を手がけてきたエクステンドがお手伝いします。原価管理の立て直しでお悩みでしたら早期にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。財務コンサルタントが親身になって対応致します。
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粗見積りで「赤字工事」を受注しない
原価管理と表裏一体なのが、受注前の「粗見積り」です。見積りで受注が決まる建設業では、見積りの段階で利益を読めるかどうかが、その工事が黒字になるか赤字になるかを分けます。
赤字工事を受注しないためにはどうすればよいですか?
受注したい一心で価格を下げ、原価を十分に読まないまま契約すると、その工事は最初から赤字が確定します。これを防ぐのが粗見積りです。過去の工事データと原価管理の蓄積をもとに、見積り段階で大まかな利益を読み、利益の出ない工事は受けないという判断基準を持つこと。
粗くても早く利益を見通せれば、受注の可否を冷静に決められ、赤字受注の連鎖を断ち切れます。原価管理と粗見積りはセットで、建設業の収益体質を立て直す両輪です。
公共工事依存からの脱却・工事別原価管理・粗見積り——建設業の再建には順序があります。
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