建設業などで多い、一括返済の融資が返済できない事態
建設業で融資の返済が滞るケース
私の会社にご相談される相談内容で多いのが、「銀行に6月30日に、手形借入で借りていた1千万円の一括返済の期限がくるが、返済資金がない」というように、一括返済条件の融資が返済できない、というものです。
建設業など、このパターンで一括返済の融資を受けることが多いです。工事見合いで融資を受け、6月30日に工事代金の入金があるから、それで一括で返済を行うことを銀行に約束するパターンです。
本来なら、6月30日に入ってくる工事代金は、銀行への返済にあてなければならないのですが、どうしても運転資金が足らず、工事発注元から別の銀行に売掛金を振り込んでもらってそれを流用するなどして、銀行への返済資金がなくなる、というのがよくあるパターンです。
例えば、受注額が12百万円、外注費が6百万円、材料費が4百万円、粗利益が2百万円の工事があったとします。
外注費の支払いは3月20日に3百万円、4月20日に3百万円、材料費の支払いは4月30日に4百万円、そして売掛金の入金予定日が6月30日とします。
3月20日に3百万円、4月20日に3百万円、4月30日に4百万円を銀行から借入して外注費や材料費の支払いを行い、合計借入金額10百万円を、6月30日に入ってくる12百万円から支払う、という、一括返済条件となるのが通常です。
しかし実は、これら外注費や材料費の支払日が書かれた発注書を偽造し、銀行に借入した資金は、前の工事において、支払いができていなかった分の支払いに充ててしまう、ということをやってしまう企業がよくあります。
銀行はこの場合、外注先や材料仕入先からの、見積書や契約書などを、資金使途を確認するための証拠書類として、企業から提出を要求しますが、これらは現物ではなくコピーされたものでも銀行は特に気に留めなかったり、もしくは外注先や材料仕入先に頼み込んで、ウソの支払期日を書いたものを作ってもらったりし、それを銀行に提出し、銀行はそれを信用して、融資を出すのです。
もしくは逆に、工事発注元からもらう、発注書や契約書自体を偽造し、ウソの工事をでっちあげることもあります。また、このような方法でなくても、単に、工事発注元からの入金が、工事遅延や、発注元とのトラブル、発注元の事情などで入ってこない、ということもあります。
もしくは、入金される売掛金は、銀行へ返済にあてるのではなく、どうしても通常の資金繰りに使いたい、ということも、資金繰りが本当に厳しい企業において、あることでしょう。このような状況で、借入した融資は、実際に返済できないことになります。
建設業で融資の返済ができない場合どうするか
この場合、とるべき方法は、銀行に、本来なら一括返済するものを、分割返済にしてもらうよう交渉することです。しかし気をつけなければならないのは、その分割返済額をどうするか、です。
例えば、1千万円を6ヶ月、毎月160万円ずつ返済すると銀行に簡単に約束してしまうと、それだけ返済して資金繰りがまわるのならよいのですが、このような状況で、まずそのようは返済ができるわけありません。
予定資金繰り表を作成の上、毎月いくらずつで返済するように交渉するか、慎重に検討しなければなりません。
この場合、毎月3万円や5万円ずつ返済する、というように、資金繰りがまわりやすいように極力、毎月返済金額を少額になるように、銀行と交渉することです。毎月の返済金額は0円でもよいではないか、ということを思う方もいらっしゃいますが、この毎月3万円や5万円というのは、経営者が
「本当は銀行に返済したいのにどうしても返済できない。だから、3万円だけでも毎月返済していきたい。」
という、「銀行への返済意思」を、銀行に示すための、返済金額です。また、分割返済の交渉をするために、
- 経営改善計画書
- 資金繰り表
を作るようにします。一括返済の融資を返済できない場合は、このように支払計画を立てて、銀行と交渉するようにしましょう。
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