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営業マンのやる気を高める給料の決め方

売上を上げる営業マンが報われる会社作り

私がご相談を受けている中で、営業マンが売上を上げてくることが主体の会社において、売上が低迷している会社は、必ずと言っていいほど、営業マンのほとんどは売上を上げてくることができない人たち、という状態になってしまっています。

営業マンの仕事の第一は、売上を上げてくること。これは誰も異論はないでしょう。

その営業マンが、売上を上げてくることができなかったら、その会社の売上は低迷し、会社は衰退してしまいます。

私が多くの会社を見てきた中で、営業マンが売上を上げてこない会社の特徴の一つがあります。

それは、営業マンが売上を上げても上げなくても、ほとんど給料が変わらない、ということです。

 

よほど、その会社の仕事が魅力的であり「うちの会社は、給料では、営業マンは動かないよ」と経営者が思っていても、営業マンの動機づけは、それだけではなかなか難しかったりします。

 

やればやるほど、報われる会社。その報われるの意味は、報酬であったり、評価であったり、地位であったりしますが、そのような報われる会社にすることが、営業マンの動機づけで一番重要です。

 

営業マンの給料は、粗利益に応じて歩合計算をするように決めるとよいです。歩合の計算の根拠は、売上ではなく粗利益にするべきです。

 

なぜなら、売上が歩合の根拠であると、大きく値下げをしてほとんど粗利益がなくなってしまっても、歩合計算がなされてしまうことになるからです。

営業マンが、粗利益を意識して売上を上げてくるようにするために、粗利益を歩合の計算の根拠とします。

 

また、業務委託の営業マンであれば完全歩合でよいですが、社員であれば、保証給を設定します。そして、一方で歩合を計算し、保証給を上回ったら歩合給として支払うようにするとよいでしょう。

 

例をあげます。

 

(1)粗利益を根拠とし、その20%を歩合計算とする。
(2)保証給は月18万円にする。

 

このルールにすると、例えばある営業マンが次のように売上を上げた場合、

 

・売上400万円、粗利益140万円
→ 歩合計算28万円で、給料は28万円になる。

 

・売上100万円 粗利益40万円
→ 歩合計算8万円で保証給18万円の方が上回るため給料は18万円になる。

 

重要なのは、歩合計算のルールの決め方です。

歩合給の制度を入れることにより発生する問題と解決方法

またこのような給料にすると、次の問題が発生します。

(1)ある月に売上・利益を集中させれば、歩合計算が有利になる。

例:1月と2月で合わせて売上700万円、粗利益230万円の場合

上記ルールどおりとして、

A.1月売上300万円、粗利益100万円→1月給料20万円
  2月売上400万円、粗利益130万円→2月給料26万円
  1月2月給料合計46万円

 

B.1月売上100万円、粗利益 30万円→1月給料18万円(保証給)
  2月売上600万円、粗利益200万円→2月給料40万円
  1月2月給料合計58万円

 

と、保証給があるばっかりに、Bの方が有利となり、「1月に上げる予定だった売上は2月にまわそう」という意識が働いてしまいます。

 

解決策としては、次の方法があります。

1.前月の歩合計算が保証給を下回る部分は、その後数カ月持ち越し、というルールにする。

例えば上記Bのパターンでは、1月の歩合計算では6万円となり、6−18=△12万円を3ヶ月持ち越しというルールにし、2月の歩合計算40万円から12万円を引き2月の給料は28万円にする、となるルールにします。

2.数ヶ月の単位で歩合計算をし、それを次の数ヶ月の給料根拠とする。

例えば1月〜6月の売上により計算された歩合を、7月〜12月の給料に反映させます。

(2)営業マン全てが、自分の売上を上げるための仕事しかしなくなる。

ここで、保証給の概念が重要となります。

上記ルールでは、保証給は18万円にしていますが、その趣旨は、営業マンが売上を上げることができなくても、月18万円はもらえる、ということです。

つまり、固定給として18万円が、営業マンに確保されているということになり、これがあるから、自分の売上を上げる行動以外の仕事もしなさい、と言えるようになるのです。

 

また、会社から割り当てられる営業マンの仕事のうち、売上を上げる仕事以外の仕事の割合が多い会社もあることでしょう。そのような会社は、保証給を高くしていきます。

(3)売上を上げるといっても、会社全体として集めた見込み客からの売上

もあれば、営業マンが集めた見込み客からの売上もある。

会社全体として集めた見込み客、例えばホームページから問合せがあった見込み客の場合、営業マン独自で集めた見込み客からの売上に比べ、歩合の率を低くします。そのために、どこから集めた客なのかを把握できる体制を作っておくことが重要です。

(4)複数人数で上げる売上はどう考えるか

この場合でも、見込み商談となるまでは一人で営業活動を行った、という場合が多いでしょう。見込み商談となった場合、その商談を持ってきた営業マンが、一人では成約に結び付けられない場合、その営業マンにその商談を成約させるためのチームを作らせ、その営業マンに、歩合の取り分(例えば7:3など)を、あらかじめ決めさせます。

(5)営業部長や社長など、上司の同行により決まる売上はどう考えるか

営業部長の仕事は、中小企業であればプレイングマネージャー、つまり自分でも営業を行いながら、部下の営業マンたちの管理をする、という場合が多いでしょう。

営業部長は、部長として固定給部分を多くし、その部分を部下の管理(これは部下の同行も含みます)の根拠とするため、売上はその部下の成果となるようにします。

 

また社長が同行して売上が決まったからといって、その営業マンの歩合率を下げるようなことはしないでください。そんなことを行うと、その営業マンのモチベーションは下がってしまいます。

営業部長や社長は、その役割から多くの給料をもらっています。それには部下のマネジメントの分も入っています。営業部長や社長は、その中で行動すべきです。

(6)売上計上しても貸倒れとなった場合はどうするか

売上計上ベースではなく、入金ベースで歩合計算は行うべきです。そうしないと、営業マンは売掛金回収まで意識が働かなくなり、その会社は多くの貸倒れを発生させてしまうことになります。

以上、歩合型給料の場合に起こりがちな6つの問題について、その解決方法を述べました。

歩合給は毎月の給料と賞与、どちらで反映させるか

また、毎月の給料に反映させる方法の他に、半年に1回の賞与で反映させる方法も考えられるかと思います。

ただ一方で、実はこの給料制度、次のようなねらいも含んでいるのです。

そのねらいとは、売上を上げてこない営業マンは退職に向かわざるをえないようにする、ということです。

 

例えば、売上を上げてくることが営業マンの100%の仕事である場合、保証給を15万円にします。法律で決められている、最低賃金ぎりぎりまでは、保証給は下げられます。

売上を上げてこれば給料が高くなるが、売上を上げてこなければ生活ができない水準まで、保証給を設定します。

 

そうすることにより、売上を一向に上げてこない営業マンは、給料がどん底になって生活ができなくなり、次の職を探さざるをえない、ということになります。これが、歩合は賞与で反映させるのではなく、給料で反映させるねらいであります。

 

売上を上げてこない営業マンがいつまでも居座ってしまう会社は、赤字社員を抱えてしまうことになり、業績が悪化してしまいます。

また、そのような営業マンは、まわりの士気も下げてしまう、悪影響もあります。

このように、営業マンのやる気を高めるには、歩合で給料が決まるようにします。

売上を上げてくる営業マンにとっては、売上を上げても上げなくても給料は変わらない、これほどやる気を下げることはありません。

 

給料制度は、仕事ができる社員を照準にするべきであって、仕事ができない社員に気を使った制度にするべきではありません。

歩合給の制度により起こる良い効果

なお、歩合制度にすると、人件費が変動で決まる部分が大きくなる、という効果もあります。

人件費が固定費化してしまうと、売上が落ち込んだ時に大きく赤字になります。人件費がある程度、変動費化すると、売上が落ち込んだ時の赤字は、人件費が固定費になっている場合に比べて、縮小します。

あと、この給料制度で重要なのは、ルールはしっかり決めておき、明文化しておくことです。ルールが決まり、それに応じて歩合の計算がしっかり行われていれば、社員から不平不満が出ることはありません。

 

実は弊社エクステンドは、給料総額の8割は、歩合で決まった部分の給料である会社です。そのため、歩合の設定の仕方のノウハウは多くあります。今回の記事で述べたことは、そのノウハウに基づいています。

ただ、給料制度の変更は、労働法律ともからんできますので、必ず社会保険労務士の助言をもらいながら、行うようにしてください。

 

この給料制度の設計一つで、将来の売上は大きく変わっていくものです。あなたの会社の売上を向上させるために、どのように給料制度を組み立てるか、考えてみてください。

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