これからの経営改善計画書のポイントは「行動計画表(アクションプラン)」
金融円滑化法期限切れ後は、3年間という限られた期間の中で、営業利益(事業収益、営業キャッシュフロー)を自らの努力で改善しプラスにした企業が、選別される条件となっていきます。
この考え方は、単に中小企業側への要求という意味だけではなく、金融機関自身の反省という側面もあります。
◆金融機関の融資担当者が半減している
「昔は融資担当者がよく来てくれていたのに…」とおっしゃる経営者は多いですが、
文字通り担当者の減少、
一人の融資担当者が抱える顧客数の増加は1社に対して
使うことのできる時間を強制的に減らしてしまっています。
◆行動計画表の意味
そこで…
今回のテーマでもある「行動計画表(アクションプラン)」につながります。
「行動計画表 書式」
「アクションプラン表 書式」のキーワードで、
インターネット検索をすれば書式は簡単に入手することができますが、
中小企業再生支援協議会が公表したサンプルによれば、
その行動を達成できた場合、
損益計算書の
・どの項目が?
・いつ?
・どのくらい?
(金額、もしくはパーセント)
改善するのか
、
を明記する形になっています。
金融機関側では、これまでなら数値だけで表現されている
過去の損益計算書の計画に対して分析して、これからどうなるのか
考えていたものが、これからは
・何をして、どうなるのか?
・過去の行動計画が実施されているのか?
・損益計算書に計画通り反映されているのか?
という形で、
行動と結果数値を合わせて検証することになります。
すると、金融機関としては…
中小企業が自ら記入してきた改善行動を、
1.検証する立場になれる
⇒企業側が作成した計画の検証をするのみなら、
金融機関側は「比較的小さな労力」で企業評価をすることができます。
2.営業利益改善への実際の行動を、企業評価できる
⇒決算書、試算表だけでない評価基準を持つことができます。
会計操作がどうしても入る決算書と異なり、行動計画は「社長自ら」が、
作成するものだから、社長としては
他の責任にできませんし、隠せません。
そのため、金融機関にとってメリットがあるという話です。
◆企業側のメリットは?
行動計画表は、本当に考えると見た目よりも大変な資料です。
しかし、私としては、
きちんと考えて動いている経営者ほど、金融機関から評価されやすくなる
という点で、
正しく努力している企業が、報われるようになる限りは
これを好意的にとらえたいと考えます。
信用というのは時間をかけて積み上げていくものです。
真面目に改善に取組み、胸を張って金融機関に報告し続ける企業が
3年後に次のステージへ進めるのでしょう。
執筆:今野洋之