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税金・社会保険料の滞納

資金繰りが厳しい状況の中小企業において、どうしても起こってしまうのが、税金や社会保険料が支払えない事態、です。では、税金や社会保険の支払いができないと、どのようなことが起こってしまうのでしょうか。

高い利率の延滞税・延滞金

まず、納付期限までに支払えないと、税金であれば延滞税、社会保険料であれば延滞金がかかってきます。

税金の延滞税の計算方法は、

・納付期限後2ヶ月まで

年7.3%と「前年の11月30日において日本銀行が定める基準割引率+4%」のいずれか低い割合要は、4.3%(平成25年12月31日まではこの割合)で計算されます。

・納付期限後2ヶ月経過以降(ただし2ヶ月までの分は上記で計算)

年14.6%です。年金・健康保険料であれば、

・納付期限後3ヶ月まで年7.3%と「前年の11月30日において日本銀行が定める基準割引率+4%」のいずれか低い割合、要は、4.3%(平成25年12月31日まではこの割合)で計算されます。

 

このように、長期間滞納すると高い利率で延滞税・延滞金がかかってくるため、滞納が長期間に及ぶと、延滞税・延滞金が大きく膨れ上がってしまうことになります。また税金、社会保険料の滞納は、その滞納金額を国や年金機構から年14.6%で借りているのと同じ状態とも考えることができます。いろいろな手段を使って資金を調達し、税金や社会保険の滞納解消を目指すのが先です。ただしヤミ金から借りるのは本末転倒です。

 

銀行は、この滞納の事情を話すと、「まずはそちらの支払いを優先させてください。」と言ってくれるものです。

 

税金や社会保険を滞納させてまで、銀行の融資を通常返済するのでは、順序が逆です。銀行から融資を受けられるのであればよいですが、受けられないのであれば、リスケジュール、つまり返済の減額・猶予を銀行にお願いし、一刻も早く、税金や社会保険料の滞納を解消してください。

税金や社会保険を滞納した場合はすぐ交渉を行う

また滞納した時は、税務署や年金事務所に訪問し、今後の経営改善計画や資金繰り表などをもとに、滞納した金額をどのように支払っていくか、分割支払いの計画を立て、交渉に行くようにします。

 

そうしないと・・・

 

税務署や年金事務所による差押えがあります。そうならないように、交渉を急がねばなりません。

 

差押えは、まず預金を行います。そして不動産、売掛金。特にこわいのは、売掛金です。差押えの通知は、その売掛先に行きます。また差押えに行くまでに、差押え予告が売掛先に行われることがあります。

 

それは、売掛先に対し、「○○社の買掛金を教えてください。」という通知です。このように差押え、もしくは差押え予告を通知された売掛先はどう思うでしょうか。「そんな危ない状況の会社との取引は控えよう」と思われてしまいかねないでしょう。

 

私たちが数年前に相談を受けた企業は、運送業の会社で、その売上先は、ある大手食品メーカー1社が大部分を占めていました。ただその運送会社は、税金の滞納を放置してきたため、食品メーカーに差押えが行ってしまいました。その食品メーカーは大手企業であるため、その運送会社の滞納事情を考慮してくれるような融通が利きにくく、食品メーカーとの取引を切られてしまったその運送会社は、なすすべなく倒産してしまいました。

 

このように、税務署や年金事務所からの差押えが、倒産への決定的ダメージとなることは多いものです。税金や社会保険料の滞納が解消できないのなら、税務署や年金事務所と交渉し、また都度コミュニケーションをとっていき、差押えは回避されるようにしたいものです。

企業が破産した場合に税金・社会保険はどうなるか

企業が破産した場合、税金・社会保険の滞納分は、免除されるわけではありません。

 

破産法の第253条に、そのことが書いています。

 

(参考)破産法

第253条(免責許可の決定の効力等)

1.免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。

  1. 租税等の請求権
  2. 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  3. 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権   (以下略)

 

この、第1項・第1号部分ですね。

また租税等の請求権には、社会保険料も入っています。このように、企業が破産しても、税金・社会保険料の滞納分は免除されるわけではないのです。ただし、国税徴収法の第153条において、滞納処分の執行停止、税金納付義務の消滅の条文があります。

 

(参考)国税徴収法

第153条(滞納処分の停止の要件等)

1.税務署長は、滞納者につき次の各号の一に該当する事実があると認めるときは、滞納処分の執行を停止することができる。

  1. 滞納処分を執行することができる財産がないとき。
  2. 滞納処分を執行することによつてその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき。
  3. その所在及び滞納処分を執行することができる財産がともに不明であるとき。

2.税務署長は、前項の規定により滞納処分の執行を停止したときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。

3.税務署長は、第1項第2号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その停止に係る国税について差し押えた財産があるときは、その差押を解除しなければならない。

4.第1項の規定により滞納処分の執行を停止した国税を納付する義務は、その執行の停止が3年間継続したときは、消滅する。(以下略)

 

条文を見ると分かるように、あくまで税務署長により、執行を停止することができる、というまでのことであり、破産したから税金・社会保険料が免除される、というわけではないということに注意する必要があります。また社会保険の場合も、国税徴収法の例によるため、同じことが言えます。

税金・社会保険料は最優先で支払う

特にここ数年、税務署や年金事務所の対応は、厳しい傾向にあります。まず滞納しないことが大事です。特に税金で言えば消費税や源泉所得税、源泉住民税は、企業にとっては預り金の性質であります。

 

社会保険料も半分は従業員からの預り金です。

 

これら預り金を、自分の会社の運転資金に流用するということは、大きな問題となるわけです。滞納とは、そのような大きな問題なのです。銀行で融資を受けて手元の現金預金を潤沢にすることにより、税金・社会保険料の滞納を防ぎます。もし銀行から融資を受けられないのであれば、融資返済をリスケジュールして滞納を防ぎます。

 

どうしても滞納してしまう場合は、税務署や年金事務所に、経営改善計画書や資金繰り表、滞納分の分割支払い計画をもって交渉に行くこと、そして都度状況を報告し、コミュニケーションを図ること、これを心がけてください。

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