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3つの計画書

弊社は経産局の経営革新等支援機関として認定を受けこの度、名古屋オフィスコンサルタントが支援機関としての実践力向上研修を受けてきました。その中で再生フェースの企業における3つの計画書の話がありましたので、今回はおさらいとして、再確認してください。

 

3つの計画書とはすなわち

 

  • 実抜計画書(実現可能性の高い抜本的な経営再建計画書)
  • 合実計画書(合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画書)
  • 暫定リスケ計画書

 

になります。一つずつ説明していくと

実抜計画書

実抜計画の「実現可能性の高い」とは、1.計画の実現に必要な関係者との同意が得られていること、2.計画における債権放棄などの支援の額が確定しており、当該計画を超える追加的支援が必要と見込まれる状況でないこと、3.計画における売上高、費用及び利益の予測等の想定が十分に厳しいものとなっていることの全ての要件を充たす計画であることをいいます。

 

また「抜本的な」とは、「概ね3年(5年~10年で計画通りに進捗している場合を含む)後に正常先(計画終了後に自助努力により事業の継続性を確保できれば、要注意先であっても差し支えない)(中小企業向け融資の貸出条件緩和が円滑に行われるための措置)であることをいいます。その場合に金融機関と会社側双方のメリットとして債務者区分が要管理先からその他要注意先に上位遷移されます。

合実計画書

「合実計画」を満たす要件としては計画期間が概ね5年以内(中小企業の場合は、5年超10年以内)であり、計画終了後の債務者区分が原則として正常先となる計画書の事。その上で、「売上高等及び当期利益が事業計画に比して概ね8割以上確保されていること」とされています。その場合の金融機関と会社側双方のメリットとして債務者区分が破綻懸念先から管理先に上位遷移されます。

 

尚、債務者企業が中小企業の場合は「合実計画」の要件を満たしていれば「実抜計画」の要件も満たす事になります。(金融検査マニュアルFAQ【別冊『中小企業融資編』検証のポイント】5.(2)ホ)

暫定リスケ計画書

暫定リスケの定義は1年間または数年間はリスケを前提に弁済方法を暫定的に決定するが、その後の弁済方法は更新時の経済状況を等を踏まえて改めて協議するという方式になります。経営改善計画書を策定する段階で財務内容の毀損が激しい状態で実抜計画書や合実計画書の要件を満たせられない場合に策定され、実務的には3ヶ年計画を基本としています。

 

参考までに中小企業再生支援協議会の再生計画案は3年以内の黒字化、5年以内の債務超過解消、有利子負債対キャッシュフロー比率が概ね10倍以下が条件となり、ハードルは決して低くありません。(中小企業再生支援協議会事業実施基本要領)

 

また上記計画に対して金融支援を要請する際は以下の7項目を検討要件としてください。(実務的には暫定リスケ計画書の場合、要件は柔軟に対応されます)

1.金融支援案の経済合理性

取引金融機関の債権回収可能見込額が、清算配当見込額を上回っていること

2.金融支援案の相当性

選択した債務整理の方法、金融支援の手法の選択が合理的であり他の選択と比較して相当であること

3.金融支援案の衡平性

取引金融機関の金融支援の内容が衡平であること

4.過剰支援に該当しないこと

金融支援の程度が過剰でないこと

5.実現可能性

計数計画及びアクションプランが十分実現可能であり、社内体制も十分整備されていること

6.責任論

金融機関に権利変更という不利益が発生したこと対して、誰が、どの様に責任を取るかの問題

7.反社会的勢力との関与

反社会的勢力との関与があってはならないこと

 

上記7項目吟味した上で金融支援内容を決定し計画に織り込みます。

 

中小企業金融円滑化法の影響で相当数の企業がリスケを実行したのは周知の事実です。その相当数の企業の中で「実抜計画」や「合実計画」を満たす企業は私の実務経験上、少ないと感じています。何故ならば、計画書が無くても法律に守られて1年以内に改善計画書を作成すれば、金融支援が受けられてしまったからです。

 

法律が無くなった現在は1年以上リスケを行っている企業に対して、リスケ更新時期に金融機関は経営改善計画書を要求してくるでしょう。

 

その中で暫定リスケ計画書までしか作成できない企業に対しては執行猶予がついた状態だと認識して、強い覚悟をもって計画策定期間内で経常収支をプラスまでもってきてください。それが事業存続要件になります。

 

研修の最後にも暫定リスケ計画書の未達企業で経常収支マイナスの企業に対して廃業を勧めるのも支援機関としての役割であるとの表現を講師の方はされていました。リスケ企業に対しての選別は始まっているのです。

 

執筆:奥田雄二

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