銀行提出・補助金申請だけの事業計画書はなぜ危険なのか?中小企業が本当に使える計画書の作り方と5か年計画の逆算思考
事業計画書は本当に必要なのか?
決算書は税法・会社法によって作成が義務づけられており、作り方にも詳細なルールがあります。しかし事業計画書には法的な作成義務がなく、どのような形式で作っても、そもそも作らなくても、誰からも指摘されません。
そのため、多くの経営者が「必要性はなんとなく感じながら、作成していない」という状態に陥っています。あるいは過去に銀行提出や補助金申請のために作成し、その後は一切見直していないというケースも非常に多く見られます。
ただ、「なんとなくの必要性を感じる」というその感覚は正しいものです。事業計画書を本格的に作成し、定期的に振り返っている経営者とそうでない経営者では、数年後の経営判断の精度と財務体質に明確な差が生まれます。
では、「必要性は感じているのに作れない・使えない」という状態はなぜ起きるのでしょうか。その最大の原因が、次に述べる「誰かのために作る事業計画書」という落とし穴です。
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意外と「銀行に提出するために事業計画書を作ったことがあるけれど、年度毎に作成したことはない」と言う方や「事業計画書を作成はしているけれど、振り返りをしたことはない」という方もいます。
これでは、せっかく事業計画書を作成しても、「使える事業計画書」にはなっていません。それどころかマイナス面もあるほどです。
例えば、今の時期、補助金の申請のための事業計画書を作成の相談も多いのですが、極端に言えば、「補助金の採択される事業計画書」レベルでは、意味がありません。
採択されようが、採択されまいが、事業として成り立つ事業計画書で無ければ、そもそもその補助金が通っても、その後、経営に困ることになります。
これは、補助金だけでなく、銀行借入だけのために事業計画書を作成したり、許認可のためだけに事業計画書を作成したりする場合も同様です。
では、「使える事業計画書」とは何なのでしょうか?
そもそも事業計画書は、経営者が自分の方針や今後の取り組みを文章や図式にして頭の中を整理するものであり、従業員がそれらを判断基準にして事業・仕事を進めていくものです。
このように、事業計画書は、特別な時だけ見るものでなく、まさに日常の経営や業務の中で使っていくものなのです。
これが出来ているからこそ、その中で必要な資金を銀行や補助金で 調達していくことなります。この時期、事業計画書の作成に取り組みやすい時期ですので、ぜひ、「使える事業計画書を本気で作成」してみませんか?
それが、結局は、経営状態をよくして、資金繰り改善にもつながることにもなるのです。
5か年計画は「5年後の組織図」から逆算して作る
使える事業計画書を作るうえで、特に5か年計画(中期経営計画)の策定時に多くの経営者がつまずくのが「数字の計画は作れるが、それを実現する組織のイメージができていない」という問題です。
おすすめのアプローチは、損益計画や資金計画を作る前に、まず「5年後にどんな組織になっていたいか」を組織図として描くことです。
| ステップ | 作業内容 |
|---|---|
| ①5年後の組織図を描く | 部門構成・人員数・役職をイメージする |
| ②現状の組織図と比較する | 何人・どの役割が不足しているかを把握する |
| ③年次ごとの採用・育成計画に落とす | 1年目・2年目・3年目の人員計画を逆算する |
| ④人員計画を人件費計画に連動させる | 損益計画の固定費(人件費)に反映させる |
この手順で作ると、損益計画の人件費が「根拠のある数字」になります。銀行に提出する経営改善計画書でも、「なぜこの人件費になるのか」を組織図で説明できる計画書は、説得力が格段に上がります。
逆に組織図なしで数字だけを並べた5か年計画は、銀行の審査担当者から「根拠が薄い」と判断されやすく、融資審査や経営改善計画の承認に悪影響を及ぼすことがあります。
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