決算書とは?経営者の意思決定が反映される会社の歴史を読み解く方法
あなたにとって決算書とは何でしょうか?
銀行から融資を受ける為の道具?
税金を納める為にあるもの?
取引先との信頼関係をつくる為?
法律で決まっているから仕方なく作っているもの?
必要ないから特に見ていない。
様々な考え方があるでしょうが、私にとって決算書とは『経営者の意思決定の結果』であり『会社の歴史』であり『会社の状態が一目でわかるもの』になります。
経営者の意思決定は全て決算書に現れます。例えば不動産を全額借り入れで賄い購入しようと決めれば借入金が負債にのり、不動産が固定資産にのります。またかかる諸経費は販管費にのってくるでしょう。
電話代も3回線にすると決めれば、通信費としてその分経費が計上されますし、内製化から外注化にすれば、内部経費は減り外注比率が上がる事になります。
回収の意識がずさんで、放置していれば売掛金が積上がってきてしまいますし、在庫管理が出来ていなければ、在庫の科目が増えていきます。退職金を保険で賄おうとすれば保険積立金が増えていきます。これら全て経営者の考えの元、意思決定を行ってきたはずです。
権限を委譲して部下に決めさせた事であっても、権限を委譲して部下に決めさせると決めたのは経営者ですので部下の意思決定に経営者が関与していたことになります。最終的には責任も取らねばなりません。
この様に中小企業においては株主兼経営者という所有と経営が一致している状態であり、経営者が決める事が、お金の流れになり、全て簿記という翻訳機を介して仕訳に変換されていきます。(見えない資産についての話は割愛します)
その仕訳を毎日毎日つけていき、期初から365日付けると、一区切りをしないといけなくなります。これが決算になります。即ち経営者の365日分の意思決定が決算書の貸借対照表と損益計算書を作り上げていくのです。
学校に例えて言うなら損益計算書は『テストの点数』であり、貸借対照表は『通知表』といった所でしょうか?テストの点数が多少悪くても、授業態度が良く欠席が少なければ、通知表は良くなるかもしれません。その逆もありますよね。
また貸借対照表は企業の体力・状態を示しており、過去からの積み上げでなりたっている部分で歴史という表現が当てはまるのです。
ここで注意して頂きたいのは、「損益計算書は1年経てばリセットされますが、企業経営においてはリセットしていけない」という事です。
決算書は経営者の意思決定の結果という表現を使いましたが、これか過去から現在までずっと続いているものです。決算が来たからといって過去が消えるものではありません。ここには経営者の過去の経験と知識の傾向といったものが、必ず現れてきます。
過去5期分、最低でも3期分並べて振返ってみて、自分の傾向を一度再認識するのも、自分が今どこにいるのか客観的に見る事が出来、将来とのギャップを確認する良いきっかけにもなりますので、是非お勧めします。
あなたは、本当に経営判断に活かされていますか?
このコラムでお話しした通り、決算書は経営者の意思決定の結果そのものです。しかし多くの経営者が「決算書の数字は見ているけれど、そこから何を読み取り、どう次の経営判断に活かせばいいかわからない」とおっしゃいます。
あなたの会社の決算書からは、こんなことが見えてきます。
- 過去の経営判断で成功したパターンと改善すべきパターン
- 資金繰りの傾向と将来のリスク
- 銀行や取引先から見た会社の信用度
- 次の成長ステージに向けた財務戦略
エクステンドでは、決算書を「ただの数字の羅列」ではなく「経営戦略の設計図」として活用する方法を、経営者様と一緒に考えています。
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