事業再生に成功した中小企業の特徴・共通点はある!?
気がつけば、私が対応させていただいた電話相談や面談の件数は合わせてのべ2000件になろうとしています。概ねリーマン・ショックからコロナ禍に至る、中小企業にとっては大変なことが続く時代にあって、多くのご相談をいただいてきました。
多少なりとも、ご相談下さった経営者の皆様にとってお役に立てていれば幸いなのですが、現実としてはその後再生に成功した企業・そうではない企業(他、進行中の企業)に分かれていってしまうもの。
最近、改めて「再生とはなんだろう」「再生できる企業と、そうではない企業の差は?」と考えるようになりました。
当然、最終的には経営者の覚悟というような属人的なことになるのですが、それはそれとして、企業の財務という検知から、再生できた企業の特徴、目に見える現象として言葉に表現できるものは、何かないだろうかと探すようになったのです。
その結果、何点かのポイントが浮かび上がったのですが、その中でも個人的にはダントツで「私の関わった全ての再生案件での共通点」と断言できる点に触れたいと思います。
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税務会計上は必須ではないけれど、銀行から信用を得るには欠かせない「棚卸」
その共通点というのは「棚卸資産を月次で更新している」ことです。税務会計上は必須なことではありません。やらなくとも税理士先生に迷惑はかかりませんし、大半の場合は求められることもないでしょう。
しかし、棚卸資産が月次で把握されていることは、銀行取引上以下のメリットがあります。
・銀行からみて、最も評価が難しいのは棚卸資産です。銀行員が(専門家もですが)ある瞬間の棚卸資産価値を倉庫で現物確認したところで分かりっこありません。
その会社の取引条件やビジネスプロセスを把握した上で、月次での推移を見てこそ除々に棚卸資産を信じる、ひいてはその会社の財務資料を信じることができます。
また棚卸資産は会計操作・粉飾に非常に使われやすいため、月次での推移があることは粉飾懸念がないことを示すことにもなります。
・短期継続資金(運転資金を元本返済原則不要・利払いのみで受ける融資形態)においては正常運転資金の算出によって当該資金の金額が算定されますが、月次での棚卸資産の算定がないと正常運転資金の変動が想定できず、売上の山・谷に対応したお金の借り方ができません。
・そもそも、棚卸資産の更新がないと試算表を組んだとしても、その損益がどれほど正当なものか評価が困難になります。
- リスケ中の企業への新規融資
- 年商の半分以上の在庫を抱えた企業へのプロパー融資
- 年商を超える借入を持つ企業への資本性劣後ローン実行
- 多額の粉飾を開示した上でのリスケ依頼
これらを実現した企業は、押し並べてそもそも重要ではない場合を除き、棚卸資産を月次で更新しています。
損益・財務状況の確認という意味では銀行に対して、というよりも経営者自身のためにも必要と言えますので、再生中の企業様で、「棚卸は決算時にしかしていない」ということがあれば是非改善の取り組みをお願いしたいと思います。
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