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定期積金がいつのまにか保全の手段に

定期積金についてご存知でしょうか。

 

定期積金に特に力を入れているのは、信用金庫・信用組合です。

 

定期積金は、満期になるまで毎月一定の金額を積み立てていって、普通預金より高い利率の給付補填金(定期積金の場合、利息という表現は使いません)を受け取るものです。満期になった定期積金は、それを払い戻ししなければ、預金として使えず、満期後は普通預金の利率となります。

 

そして毎月金額を積み立てるには、金融機関職員による集金と、普通預金や当座預金からの自動振替という方法があります。

 

なぜ、特に信用金庫や信用組合が定期積金に力を入れるのか。

 

それは第一に、定期積金により、企業との関係を強化し、情報収集する手段とする目的があります。

 

定期積金は毎月集金を行うため、毎月1回は、金融機関の職員は企業に訪問することになります。

 

毎月訪問していれば、金融機関の職員と、企業との関係は密接になっていきます。そして訪問時に、企業から情報収集することができます。そして情報を元に、融資の提案などを行っていくのです。

 

定期積金は毎月訪問するため、金融機関としては職員の人件費がかかることになります。そのため高コストで効率が悪いと、縮小・廃止の動きが多くの金融機関でありましたが、今はその役割が再評価され、復活する動きが見られます。特に地方の信用金庫や、小規模の信用金庫・信用組合は定期積金を重視しています。

 

経営者の中には、金融機関には定期的に訪問してもらって関係を築いていくものだ、という考えの人も多いものです。毎月訪問する手段として定期積金は、大きな役割を果たしているのでしょう。

定期積金で保全強化、資金繰り悪化も

ただし定期積金は、毎月一定の金額を集金もしくは自動振替で掛けていくため、掛け金が大きければ、資金繰りを圧迫することにもなりかねません。

 

資金繰りが厳しくなり、今まで掛けてきた積金を運転資金で使えるようにしようと解約を申し込んでも、金融機関からは抵抗されがちです。そして解約するのが面倒くさいからと放置してしまうと、より資金繰りは圧迫することになります。

 

特に融資実行時には、信用金庫や信用組合では定期積金を勧められることがよくあります。無理に企業に定期積金を作らせることは金融機関の優越的地位の濫用となりますが、なかなか拒むことができない経営者も多いでしょう。

 

例えばある信用金庫に毎月50万円の返済をしている企業が、定期積金を毎月30万円掛けていた時、毎月流出する現金預金は80万円となります。それで資金繰りが厳しくなっていたら、何をやっているか分かりません。

 

また定期積金は満期が来たら、それを払い戻ししなければそのままです。そして金融機関は、定期積金で満期が来たものを定期預金に移行するように勧誘することが多いです。そして金融機関の言われるがままに定期預金に振り替えていったら、金融機関の保全の強化となります。つまり定期預金は普通預金や当座預金と違って自由に使いにくいため、企業が融資の返済ができなくなった時に金融機関が差押えしやすいものの一つとなります。

 

定期積金を掛けることになったきっかけは自分の意思ではなく金融機関のセールスによるものであった企業は、大きな掛け金により資金繰りが厳しくなり、また金融機関の言われるがままに満期の定期積金を定期預金に振り替えがちなため、いつのまにか定期預金金額がふくらみ、金融機関にとって保全を強化できた形となりがちです。

 

定期積金は、毎月少ない金額から掛けられるため、金融機関の言われるがままに作りがちですが、今回述べたことが起こることを頭に入れておきたいものです。

 

そして信用金庫や信用組合が定期積金を掛けてほしいと言ってきた目的が、毎月の訪問のきっかけとして集金の機会を持ちたいということであれば、できるだけ毎月の掛け金は小さくし、満期が来たらすぐに普通預金や当座預金に振り替えるようにしてください。

 

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