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事業性評価の本質、本来の融資機能

やはり、エクステンドの強みというのはコンサルが30人近く所属し、各々の顧客企業の状況・対応・結果が積み重なって共有されることからの実践的なノウハウの量、ということだと思うのです。

事業性評価の本質、本来の融資機能

前回、事業性評価をはじめとした新制度について「銀行は遅かれ早かれ、取組みをせざるを得ない」ことに触れました。現時点ではなかなか一歩踏み出せないでいる銀行であっても、今の融資モデルのままでは銀行自身の将来の収益悪化は避けられないのです。

 

一方、新制度新制度、新しい評価体系で、これまでにない融資を、といったところで、その本質は「新しい融資をやらせるための、新しい中小企業評価体系」ではないことも、確認しておくべきです。

融資判断は、どのように?

新制度の中でも、例えば事業性評価においては

「決算評価(特に資産評価)や担保・保証に過度な依存をしない事業の持続的な成長性を評価すること」

 

と理解されます。銀行側の言い分を度外視して考えれば、確かに現在の融資は事業を評価しているとは言い難く、貸したお金は、キャッシュフローで何年で返済できるか(債務償還年数)返せなくなったとして、銀行に貸倒が発生し得るか(純資産額、または債務超過額と、債務超過解消年数)に偏った評価をしていることは否めません。

本来の融資の原則

しかし、銀行員ならば誰でも最初に教えられる融資の5原則は「収益性」「安全性」「成長性」「流動性」「公共性」というものがありまして、簡単にまとめると

 

・収益性:銀行にとって適切な収益があるか
⇒金融庁は、銀行に収益力を求めており、劣る銀行は統合対象になる

 

・安全性:確実な返済が見込まれるか
⇒銀行としては当然保たれなくてはなりませんが不動産担保や保証のみならず、動産担保や、事業そのものの評価が今後世に出てくることでしょう(近い将来、本メルマガでも大きく具体的なお話ができると思います)

 

・成長性:融資先・銀行双方の成長に役立つか
⇒融資先、ひいては地元経済が成長しない限り、銀行自身にも未来はない

 

・流動性:融資資金が適切に回収され、新たな融資として回転するか
⇒現在のなんでも「マル保長期」というのが誤りであって本来は運転資金はプロパーの「短期転がし融資」が基本

 

・公共性:健全な社会の醸成、発展に寄与するか
⇒反社会的勢力等への融資が厳禁なのは、いつでも当たり前

 

という具合です。新制度や、現在金融庁が銀行に推進している指導内容と符合しています。安全性についてのみ、まだこれからではありますが総じて、新制度というのは「元々ある融資の原理原則に立ち返るもの」と捉えるのが妥当です。今、私たちが当たり前として捉えている常識?の方がズレていて、歪んでいるのです。

これまでの常識を取り払い、今一度原則から

銀行に必要なものは、現在が歪んでいることを自覚した上での本来の原則を取り返すこと、と言えます。

 

では、中小企業は?

 

本来の原則に立ち返ったときに、見合う評価を得られるだけの自分自身でいられることが、何よりであることは言うまでもありません。

 

銀行の新制度運用が始まった時点で、真っ先に担当者が、課長が、支店長が、さらには審査部があの会社でできないか、と指名してくるようなそんな会社を、今から目指すべきでしょう。

 

新制度は、改善の進捗や成果を、継続的に対話することで評価が積立式に上がる形ですから、その時になって突然、では困難です。是非、もう一度金融の常識を取り払って、原理原則から見直していただければ、と思います。

この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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