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個人で借りたお金で、会社の借金を返せとは?

私が銀行員だった頃…といっても、もう20年近く前で何もかも教わりながら、恐る恐る仕事をしていた頃。先輩からこんなことを聞きました。

 

どうしても当日融資の回収をしなくてはならない、という指示を受けて、お客さま企業のところに伺ったところ社長は不在、従って経理部長に対して資金状況確認。

 

回収するだけのお金は、会社にない。でも、回収はしなくてはいけない…

 

先輩銀行員からの強い返済要請に折れる形で、経理部長は「では、私個人の預金を今下ろしてくるので、そのお金を渡します」と申し出されるに至りました。

誇りある銀行家と、ただの銀行仲介業者

しかし、聞いた先輩は躊躇いも無く「私は今日、確かに御社から回収するために来たけれどもそのお金がどんなお金でもいい、という訳ではない。あなたのお金は回収するためのお金ではないので要らない、受け取らない」

 

と言って回収せずに帰ってきて、課長に怒られた、と。怒られた話なのに、その表情は確信にあふれていて凄い男前だったことを、私はずっと忘れないことでしょう。

個人で借りたお金で、会社の借金を返せとは?

つい最近、真逆のことがありました。弊社のお客さま企業経営者に対して、「あなた個人の借入枠が余っているので、それを使って会社借入の返済利息支払をしてほしい」

 

「それもできないなら、会社が倒れてもいい、むしろ倒して」と言い放った融資担当者がいたとのこと。当然、後から聞けばそんなつもりで言ったのではない、と仰るのでしょうけれど。

 

金融機関の人間として、何をどうすればこの発言に至るのかどれほど経営者にとって傷になる発言なのかあまりにも酷過ぎる。言われたお客さま経営者の立場を思うと、胸が痛いです。

企業は融資担当者を選べない?

素晴らしい銀行員とめぐり会い、融資取引をはじめても数年後には担当者は変わってしまう。担当者の変更は突然に、あっという間です。主に、銀行(員)自身の不正行為を抑制するためであり、ただ「変更するな」ということも難しいものではあります。

 

しかし、あまりにも酷い担当者を与えられてはたまったものではありません。中小企業側の対応としては、単に受入れ続けなくてはならないわけでもない、ということを改めて確認しておきましょう。

 

人事異動による担当者の変更を、外からどうこうするのは無理がありますが、「あまりにも酷い担当者から、店内の別の方に担当者を替えていただく」のは、許されないことではありません。

 

過度におかしな・非礼な言動がある場合には、上席の方へ正直に申し入れを行い、担当者の変更を求めることは構いません。むしろ、銀行組織全体として御社をどのように捉えているのか、たまたま個人として出過ぎてしまったのか知る機会、として利用するくらいでちょうどいいと考えるべきです。

 

本来、銀行取引には互いにある程度の緊張感があるべきです。債権者だからといって、なんでも許されるわけではありません。企業は、融資担当者を多少は選んでもいいのです。

 

執筆:今野 洋之

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